夕暮れのスーパーで、バーゲンセール中の衣料品店で、割引きシールを見る機会はよくあります。しかし、割引き後の値段がシールに書かれていないことも多いですよね。
今回の問題にチャレンジすれば、すぐに割引き後の値段が求められるようになるかもしれませんよ。
問題
2980円の8割引きはいくら?
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「596円」です。
計算方法は覚えていても、「制限時間が厳しかった!」という人もいるかもしれませんね。
次の「ポイント」では、効率的に答えを求める方法を解説していきます。
ポイント
今回の問題のポイントは、「最初から割引き後の値段」を求めることです。
8割引きの値段を求めるとき、次のように計算をしようとした人もいるかもしれません。
2980円の8割(0.8)の値段を出す→2980×0.8=2384円
2980円から8割の値段2384円を引く→2980−2384=596円
この計算方法はまったく間違ってはいないのですが、計算がややこしいため、できるだけ速く答えを出したい場合には不向きです。
そこで、「割引きされる値段を出して、元の値段から引く」のではなく、最初から「割引き後の値段を出す」ことを考えてみましょう。
8割引きとは、残り2割の値段が残るということです。つまり、2980円の2割(0.2)が「値引き後の値段」になります。
2980×0.2=8割引後の値段
これで計算過程がシンプルになりました。
ただ、この計算でも「2980円という切りの悪い数の掛け算」は、まだ暗算しづらく感じます。そこで、次のように計算式を変形してみましょう。
2980×0.2
=(3000−20)×0.2
ポイントは、2980を「3000−20」という切りのよい数の引き算に分解していることです。
「(3000−20)×0.2」の部分には、次の分配法則が使えます。
<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇
※( )の中が引き算でも適用可能
よって、残りの計算は以下のようになります。
(3000−20)×0.2
=3000×0.2−20×0.2 ←分配法則
=600−4
=596
8割の値段を求めて元の値段から引き算する場合と比べてみると、計算がかなり楽になりましたね。
まとめ
今回は、割引き後の値段をできるだけ楽して求める工夫を紹介しました。
まずは、「割引き後の値段」を直接求めることがポイントです。
また、商品の値段は1980円や2980円など切りの悪い数字が多く、計算がややこしく感じられることも多くあります。こんなときは分配法則を利用して、式を切りのよい数の計算に変形できないかを考えてみてください。
今回紹介した計算方法が理解できたなら、ぜひ日常の買い物でも使ってみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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