【某テーマパーク迷惑客の話】①
ショーが始まった瞬間だった。
右隣の女性が一眼レフを構えた。
レンズが顔すれすれ。
シャッター音が連打される。
「見えねえって…」
思わず声に出た。
でも彼女は完全無視。
僕は思わず妻の方を見たが、
妻も苦笑いしていた。
一言注意しようと声をかけた。
「すみません、ちょっと…」
その瞬間だった。
「触らないでくださーい!」
声が響いた。
会場の空気がピリついた。
「撮影は禁止されてないので!」
彼女が叫んだ。
僕の前にいた家族連れも振り返る。
「レンズが顔の真横にあるんです」
そう説明したけど
彼女は「知らないです」の一点張り。
「じゃあ、退いてくださいよ」
そう言われて、僕の中で何かが切れた。
妻が小声で「やめなよ…」と止める。
でも僕の声も自然と大きくなった。
「あなたのレンズ、他人にぶつかってるんですよ」
「はぁ!?