「虐待されていて…」12歳からトー横に通う少女 支援団体にも“限界”

少女(17)
「40万円は絶対に取られている。うちのせいで(警察に)捕まったっていう屁理屈を言われて」

そう話すのは17歳の少女。40万円もの大金をどうやって捻出したのか。

少女(17)
「パパ活、パパ活。立ちんぼ(路上売春)もしていた。今はしていない」

初めて“トー横”にやってきたのは5年前、12歳の時だったという。そこから家出を繰り返し、高校は中退。自らの生い立ちを淡々と話し始めた。

少女(17)
「虐待されていて、それで帰りたくないなあ…みたいな。母親がシャブ打っていて、自分もシャブ打たれるから、帰りたくないとなって帰らなくなった」

児童相談所に送られた回数は、これまでに5回。いずれも抜け出し、今に至る。

記者「児相や家よりこの辺の方が居心地がいい?」

少女(17)
「もちろん。誰かの色に染まる必要もないから。ありのままでいればいいから、めっちゃ楽」

記者
「一方で“トー横”の広場周辺はいづらくなっている?」

少女(17)
「うん。きもい。まじできもい。柵できてからじゃない?“いづらい”って思い始めたの。いさせたくないんだろうなって思った。

それだけトー横にいさせたくないんだったら、もっといい方法を見つければいいのに。

一斉補導とか無理やり児相に入れたり、家に帰したりするんじゃなくて、なんでトー横に来ているのかっていう根本的理由を解決しないと、その子も前に進めないし、それが親のせいだったら、親も前に進めないから」

駆け込み寺・代表の清水葵さんは、若者たちが“安心して立ち寄れる場所”の存在が重要だと考えている。

公益社団法人 日本駆け込み寺 清水葵 代表理事
「うちは警察が来ても絶対に入れないです。子どもたちの信頼を壊してしまうことになるので。もちろんいますよ、未成年で捜索願が出ていて、ここにずらっと神奈川県警が並んだこともありましたけど、絶対に入れない」

一方で、“トー横”周辺に“いづらさ”を感じ始めている若者たちを、24時間にわたって受け入れることができない現実もある。

資金面などに限界があり、駆け込み寺の開放時間は午前10時から午後6時までに限定されているのだ。

公益社団法人 日本駆け込み寺 清水代表理事
「今もぎりぎりの人数でやっているので、マンパワーの部分ですよね。やっぱりもう少し人がいたら…とか、もう少し余力があれば遅い時間までできるのに…とか、歯がゆさは感じていますね」

歌舞伎町には、東京都が運営する若者向けのフリースペースもあるが、開放時間は午後3時から午後9時まで。フリースペースに滞在していた若者たちは、夜、街に放り出されていった。