自分で相続税申告する人を税務署はどう見ているか元国税が本当のことを教えます。
1 自分で相続税申告する人を税理士はどのように見ているか
税理士事務所のホームページに相続税の税務調査率が高いことや土地評価の誤り等で致命傷を負いかねないと記載し、相続税申告は必ず税理士に頼もうと言っている税理士が多いです。税理士は、自分で相続税申告をする人は危ない申告をしてしまうと考えている方が多いです。
2 自分で相続税申告する人を税務署はどのように見ているか
他方、相続人としては税理士報酬を安く抑えたいため、自分で相続税申告をしたいと考える方もいます。税務署はどのように考えているのでしょうか。税理士と同じように考えているのでしょうか。
実は税務署は、何も指摘することがなければ、自分で相続税申告をしても構わないと思っています。
但し、税務署も税理士を使わない申告はきっと間違えているだろうという観点で審査していますので、審査は税理士の申告より厳しくしています。
例えば、手書き申告での計算間違いや相続開始時点の残高計上していない、出金による手元現金や名義預金を申告していない等の申告が特に多いです。
相続税は一見簡単そうに見えて実は奥が深く、専門家でも間違えた申告をする方が非常に多い税目です。特に残高だけ計上すればいいだろうという安易な発想で申告すると事故を起こすパターンも多くあります。自分で間違いに気づいておらず二次相続で発覚することも多いので自分で相続税申告はおすすめしません。
3 税理士に相続税申告を依頼した方がいい人
相続税申告を税理士に依頼した方がいい場合として、二次相続の節税対策・分割の調整等が必要な場合は、第三者である税理士がいた方が事がスムーズに進むことが多いです。実際相続人同士で調整した結果、泥沼のような争続になる方もいらっしゃいます。
また、分割調整の失敗により一次二次相続トータルで考えると何百万円・何千万円損することが普通にありますので、そういう心配がある場合には税理士に頼んだ方がいいでしょう。特に一次相続においては依頼した方がいいです。
相続税申告は初めての方や慣れていない方が多く、通常やるべきルールに則り申告していない場合、税務署から書類の提出不備や修正申告の勧奨・最悪の場合税務調査の選定に至ってしまう場合も多いです。税理士を使わない申告は、審査過程で税務調査の選定になりやすいのは間違いありません。私も相続税申告を全件審査する立場として、自主申告事案の提出不備や修正申告の勧奨や税務調査選定をよく行っていました。
相続税申告においてリスクを取りたくない方は税理士に依頼することをおすすめします。
税理士費用を考え結局損をしてしまう方は意外と多いです。二次相続時に一次相続のやり方を失敗してしまった。。という方は多く残念ながら軌道修正は難しいです。
4 自分で相続税申告をする人はどういう人が向いているか
相続人自身が知識を有していたり、申告方法にこだわりがある方、時間がある方、相続税申告に興味がある方、申告方法や内容に特に心配がない方にとっては、自分で相続税申告を行うといった選択肢も一応あります。
例えば、総遺産5,000万円以下であれば自分で申告してもそこまでリスクはないですし、二次相続を配慮した分割が特に問題なくできるようであれば専門家を絶対にいれなければならないということはありません。
5 自分で相続税申告をやる方は税理士に相談できるか
税理士事務所は自分で相続税申告をやる方の相談等は行っていないのが通常なので、書籍を購入して勉強されるか税務署に相談しましょう。
6 自分で相続税申告をする場合のおすすめソフト
どうしても相続税申告を自分でやりたいという方で申告方法が分からない方は、「AI相続」という無料のソフトがおすすめです。完全無料で申告書の提出まで可能です。有料ですが、土地評価サービスや相続税の税務調査立会(元国税調査官の立会い)サービスもあります。
この記事の監修者:元国税調査官税理士 石井聡
国税専門官として相続税の査察調査から相談担当まで広く資産税実務に従事経験を有する。国税退職後、相続専門税理士事務所(しんゆり相続)を開業し、税理士法人ともにの外部顧問やAI相続で税務調査立会請負人を務める。

