「祠を壊す」話なら私の地元にも1つ事例がある。江戸時代に黒い霊狐を祀ったという稲荷の祠が今の知内町にあり、昭和30年代に老朽が激しく解体したら土台の下から松前藩家老の筆による書付と緘で厳重に封印が施された隠し扉が現れて、宮司が恐る恐る開くと中に黒い動物の毛が収められていたって話。
Oct 14, 2024 · 9:48 AM UTC
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この黒い霊狐は「玄狐稲荷」と呼ばれ、江戸の中頃に松前城下と知内にそれぞれ祠が建てられた。もとは京都九条の霊狐で、松前藩8代道広へ京の都から嫁いだ花山院家子女の守り神として付き従った霊狐のうちの一柱だったのが、蝦夷地の狐と恋仲になったので他の霊狐が都へ帰っても松前で暮らしていた。
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だがある時藩主の獣狩りの際、不運にもその黒い毛が藩主の目に留まって仕留められた。同じ頃蝦夷地では重要な交易品であったニシンの不漁に見舞われていたが、豊漁祈願の行をしていた僧の夢にこの霊狐が現れて「私の魂を供養してほしい。そうすれば必ずまた魚がとれるようにしよう」と乞うたという。
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その後「玄狐稲荷」として霊狐を祀る祠を建てるとまた魚がとれるようになったとされる。それから約200年の時を経て祠が解体された際、黒い動物の毛が祠の下に封印のもと安置されていたのが現れたというのは、伝承や謂れの真偽はおいて「黒い霊狐」の実在を思わせるようで良いよね…こういうのと思う。
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現在、知内の玄狐稲荷は知内町中心部から七ツ岳方面へ10㎞ほど向かった先の湯ノ里稲荷神社内にある。歴史が浅いと言われがちの北海道でもこういう話、我が地元道南にならけっこうあるのぜ。北海道新幹線に乗れば気軽に来れる地域ゆえぜひ来てね。湯ノ里は青函トンネルの北海道側出口の地でもあります。
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余談だが江戸中期まで北海道の狐は人を化かさないと言われていた。「蝦夷地の狐は人を誑かすことなく、知恵のない畜生同然」なんて記録もあるが江戸後期には「内地の狐と同じく化かすようになった」と言われるようになってて、狐に化かされるという怪現象が文化的に広がる過程が考察できて面白いぞ。
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みだりに「壊す」というより、しょうがないので「解体する」という表現が適切な事例かもしれない。 知内の玄狐稲荷は今は同町湯ノ里にあるが、松前城の玄狐稲荷も今は城下街の松前熊野神社内にある。また異聞もあり、そっちだど撃たれて祟る気満々だったのを祀ってなんとか鎮めたと言われている。
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