那覇市有地の所有権を巡る贈収賄事件で、前那覇市議会議長の久高友弘被告(76)=収賄罪で起訴=と共に、贈賄側から5千万円を受け取ったとする収賄罪に問われた被告の女性(72)=飲食店経営=の第2回公判が16日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)であった。公判では、女性被告の知人の証人尋問が検察側の求めで取りやめとなった一方、久高被告が検察側証人として今後の公判で出廷することが決まった。次回公判は7月2日。
女性被告は、受領した現金について「賄賂性の認識はない」などと無罪を主張しており、証人尋問での久高被告の証言が注目される。
16日の公判では、女性被告が、賄賂目的での5千万円の受領を偽装するために3千万円を借り受けたとされる同被告の知人が検察側証人として出廷する予定だったが、検察側が申請を撤回し、証人尋問は取りやめとなった。同知人は「検事の求めで出廷して証言する予定だったが、当日に検事に中止を告げられた。理由は聞いていない」とした。
検察側の冒頭陳述などによると、女性被告は、市有地の所有権を主張する女性の成年後見人として、久高被告による議会工作のための「賄賂」として久高被告と共に現金5千万円を受け取ったとしている。一方、弁護側は、現金の受領を認めたものの、「賄賂性の認識はない」として無罪を主張している。
事件を巡っては、贈賄罪で有罪判決を受けた1人を含め計3人の公判があったが、久高被告の初公判は開かれていない。