人種差別史を教える日系人教授が車に衝突され重傷 中国系差別の罵声を浴びる ヘイトクライムの標的か 米 #エキスパートトピ
在米のアジア系住民にとって、憂慮すべき事件が起きた。
米ロサンゼルスの大学で人種差別の歴史などについて教鞭を取る日系人のアキ・マエハラ氏(71)が、4月29日夜、電動バイクに乗っていたところ、後方から近づいてきた車に衝突されて重傷を負った。その際、同氏は、ドライバーの男から「チンク(中国人を表す侮蔑語)の土地に帰れ」などと中国系の人々に対する人種差別的な罵声を浴びせられたことから、警察はヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性があるとして、捜査を進めている。
アジア系住民の安全は確保されるのか?
ココがポイント
So how the hell did he know I’m Asian?
出典:Los Angeles Times 2025/5/13(火)
ベトナム戦争の退役軍人でもあるマエハラさんは、この衝突事故で脳しんとうと頬骨骨折を含む大けがをおい入院していた。
出典:LALALA USA | ロサンゼルス発 暮らしの情報サイト:お得情報・ニュース・暮らしの掲示板 毎日更新! 2025/5/14(水)
The DOJ(中略)terminated Stop AAPI Hate’s $2 million grant(後略).
出典:Stop AAPI Hate 2025/5/9(金)
Be generous and give what you can.
出典:gofundme.com 2025/5/3(土)
エキスパートの補足・見解
マエハラ氏は、フルフェイスのヘルメットを装着していたのでアジア系とはわからなかったはずなのに衝突されたことから、個人的にターゲットにされたと考えている。実際、同氏はこれまでも、大学で、チカーノ系共和党支持者たちやKKKから嫌がらせを受けたことがあるというが、同氏が人種差別に関する講義を行っていることが関係しているのだろう。また、同氏は中国系と間違われた可能性もあるが、トランプ関税をめぐり米中対立が高まっていることも背景にあるのかもしれない。
この事件はまた、トランプ政権下、多様性、公平性、包括性が脅かされる中、アジア系住民の安全も危険に晒されていることを示していると思う。アジア系アメリカ人に対する憎悪や暴力の問題を調査し、ヘイトクライムの被害者を支援している非営利団体“ストップAAPIヘイト”も、米司法省から、突然、200万ドルの助成金を打ち切られた。ヘイトクライムの増加が懸念される。
そんな中、重要なのは、マエハラ氏のように声をあげて被害を訴えることだ。アジア系住民はヘイトクライムに遭っても通報しないケースが多いが、泣き寝入りせずに声をあげることがヘイトクライム防止に繋がると思われる。