大阪市立中学校で令和5年8月に男子生徒が自殺した事案について、大阪市が設置した第三者委員会部会は12日に公表した調査報告書で、男子生徒が同級生から継続的にいじめを受けていたと認定し、自殺の「最大の要因」と判断した。男子生徒の両親は同日、代理人弁護士を通じてコメントを出した。コメント全文は次の通り。
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息子はいつも「みんなが笑顔になりますように」と願っていました。心優しい我が子でした。その笑顔の裏で、どれほど傷つき、絶望していたか。誰にでも優しく、誰とでも仲良くできる息子でした。そんな息子が、いじめでこれほど傷ついていたかと思うと、本当にやりきれない気持ちになります。
二度と同じ思いをする児童生徒、保護者がでないことを切に願います。子どもたちには、加害者にも、被害者にもなってほしくない。
息子に対するいじめは、その多くで一人の加害生徒が関わっていました。加害生徒には、ひとりの将来を奪ったという重い事実を突きつけたい。絶対に許せない。そんな気持ちです。それ以外の生徒2人も、表面的には仲良くしながら、裏で息子を追い詰めていました。息子を仲間から排除して「人生終了のお知らせ」と心ない言葉を投げつけ、孤立と絶望に追いやった。立派な加害者であり、共犯者です。
息子が亡くなった後、水泳部の顧問教諭と面談しました。いじめに無関心な態度に、遺族として強い不信感を抱きました。いじめに気づかない、気づこうとしない教員には、教壇に立つ資格などありません。
いじめの再発防止策は、過去のいじめ重大事態の件数だけ示されてきたはずです。再発防止策が本当に実践されてきたのか、疑問が残ります。口先だけで、いじめ対策を「やりました」というのではなく、具体的な取り組みとしてさらに進めてほしいと思います。
だれもが笑顔で、安心して学校生活を過ごして欲しい。遺族として心から願っています。そのために、今回の報告書が教訓として幅広く活用されることを期待します。
「みんなが笑顔になりますように」
息子の願いがいつか届くことを願っています。
中3男子が自殺 追い詰めた同級生のいじりと「だるがらみ」いじめ見過ごした学校の不作為