■研出高蒔絵の製作工程 漆や炭粉などで絵柄部分を盛り上げ、その上に漆で絵柄をつけ金粉を蒔き、さらに漆を塗った後、絵柄を研ぎ出します。このような工程を何度も繰り返すことにより、立体感を持たせ重厚に仕上げる最高級蒔絵技法です。 1本の蒔絵万年筆を仕上げるのに3ヶ月間も掛かる。 |
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1 図案 | 2 置目付(おきめつけ) | 3 線描 | ||
| 図の通り紙に線描し、この紙の裏より漆線で描く。 | 漆線のついた紙を塗り上がった面にあて、線を転写する。 | 〔線描〕転写した線に従い、漆で丁寧に線をかく。 | ||
〔粉蒔〕漆が乾かぬうちに、金・銀の丸粉をふるい落としながら蒔きつける。 | ||||
〔粉固〕蒔きついた金・銀粉が飛ばないように淡い漆でおさえる。 | ||||
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| 4 地蒔 | 5 研出(とぎだし) | 6 胴擦(どうずり) | ||
〔地塗〕画面の広い部分を塗る。 | 木炭で全面の漆をすり落とし、金粉が表れるように研ぐ。 | 〔胴擦〕研ぎ上がった面を滑らかにするため、炭粉と水をつけて一回こする。 | ||
〔地蒔〕霞等の背景を表すため、金・銀の大丸粉または平目粉を蒔く。 | 〔摺漆〕淡めた漆で全面を拭く(乾燥半日) | |||
〔地固〕ばらまいた金・銀を散らさないように漆でおさえる。 | 〔磨〕粉に油をつけて、綿でこすり光沢を出す。 | |||
| 〔盛込〕黒漆を画面全体に塗り、絵を包む。 | 〔摺漆〕、〔磨〕をくりかえす。 | |||
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| 7 下書 | 8 高上(たかあげ) | 9 線描 | ||
〔下書〕研ぎ上がった面に表われた金線の上へ、絵の通り漆で平描きする。 | 〔高上〕炭粉で盛り上がった上に、高蒔絵漆で更に高く盛り上げる(乾燥二日) | 〔線描〕盛り上がった箇所の上に漆で線を描く。 | ||
〔炭粉上〕平描の上へ、木炭の微粉を蒔き重ねる。 | 〔高研〕高く盛り上がった面を木炭で研いで凹凸をなくす。 | 〔粉蒔〕金・銀の丸粉を直に落としながら蒔きつける。 | ||
〔炭粉固〕蒔き重ねた炭粉を漆で淡く固める(乾燥半日) | 〔地描〕絵の輪郭内を漆で平塗りする。 | |||
〔炭粉研〕盛り上がった炭粉の面を丁寧に研ぐ。 | ||||
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| 10 摺漆(すりうるし) | 11 毛打 | 12 磨 | ||
〔粉研〕絵の上を木炭で研ぐと金・銀粉が表われる。 | 〔毛打〕立体面の上に模様を入れるため、淡描する。 | 〔摺漆〕漆の淡液で粉をおさえる。 | ||
〔摺漆〕表われた金・銀粉がはがれないように漆の淡液を塗る。 | 〔粉蒔〕漆描の模様の上に直ぐに金・銀粉を蒔きつける。 | 〔粉磨〕金・銀粉に砥石粉と油をつけ指頭で磨き上げる。 | ||
〔粉磨〕砥石粉と油をつけ、なめし皮でこすり光沢を出す。 | 〔粉研〕蒔をつけた金・銀を木炭で研ぎ光沢を与える。 | 〔摺漆〕漆で全面を拭く。 | ||
| 〔磨〕粉に油をつけ、綿で綿密丁寧に最後のつやを出す。 |
1950年代 正春作:金魚 |