伊藤将人(Ito Masato)|新著『移動と階級』

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伊藤将人(Ito Masato)|新著『移動と階級』
@ito_masato
博士(社会学)。専門は社会学、政策学。「地域」や「移動」を問い直す。地方移住・地方創生・まちづくりなどを研究。社会学や隣接領域の本&トピックもポスト。国際大学GLOCOM講師。長野県出身。著書に『移動と階級』『数字とファクトから読み解く地方移住プロモーション』など。ご依頼はこちら→matto4869@gmail.com
Kanagawa, Japanito-masato.comJoined October 2019

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政権中枢からこういう発言が出てきたことはあまりなかったと思うので評価したい。 「少子化の進展はですね、女性の責任でも、子育て世代の責任でもありません。一言で言えば政策責任者の問題なんで、危機意識を持つべきは、我々政策責任者であって女性や子育て世代ではない」
大学院時代、ある先生に「長野県が人気の地方移住先であることと、昔、旧満州に渡った約27万人のうち、長野県が全国最多の3万人超を送り出したことには、何かしらの関係があるのか?」と質問されたことが、ずっと頭の片隅に残っている。
博士論文を書き終えたら、書籍化を目指したい人は一定数いると思う。そんなときに役立つのが本出版ガイドというWebサイトの「【助成金がある財団一覧表】出版助成のすべて」という記事。あまり知られていないものも含めて多数載っていて、毎年更新もされていて良い。
少し前に出た『公共政策: 政策過程の理論とフレームワーク』が素晴らしい!これまで、日本語で公共政策や政策過程の理論を本書ほどの質と量で読めるものはほとんどなかった気がする。公共政策に関わる全ての人におすすめしたい。訳者の先生方に感謝。
自治体学会が公開する「研究論文を書こう-論文応募のすすめ-」が、かなり良いです。実務家や市民が研究論文を書くためのポイントやプロセスが、わかりやすく、熱く厳しくまとまめられています。自治体学会以外の人でも参考になることが多そうです。 jigaku.org/app/download/1
今さらですが、2025年度の一橋大学大学院社会学研究科履修ガイドに「博士学位取得の道のりを振り返って」と題する短文を寄稿しました。内容は、3年で修了するために、自分が何を心がけ実践していたか。修了後もこうして母校とつながりが持てることに感謝です。
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こんなに良さそうな本が出ていたのに、気づいていなかった。「市民のための政策学テキスト」というコンセプトが良い。政治学、法学、経済学、経営学、社会学、都市計画、環境学など多様な学問分野から「政策」を考えるというのも、ありそうでなかなか無い。 『市民のための政策学』
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一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程を修了しました!総代というおまけ付きでした。大学院生活や3年間の博論執筆を支えてくださった皆さま、ありがとうございました。 (4月以降は都内の大学研究機関に着任予定です。また、日本の地方移住政策史を描いた博論は、2025年書籍化予定で準備中です。)
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京都府立植物園の開発計画〜開発の白紙撤回までの記録をまとめた本が出たとのこと。公有地を官民連携の名のもとに市場化し、企業の儲けの場に変える開発を阻止した、稀有な成功体験をまとめているとのことで早速購入。住民運動のHow to本としても、とても勉強になりそう。
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博論を終えたら、次は書籍化を目指したいというときに役立つのが、本出版ガイドの「【助成金がある財団一覧表】という記事。あまり知られていないものも含めて、網羅的に載っているのが良い◯ 【助成金がある財団一覧表】出版助成のすべて
タイトルに「移住」(地方移住)と入った本はほぼ買っているが、どうして「能動的」で「志高く」「ある界隈やコミュニティでは有名」な人ばかり取り上げるのか。それらの本も悪くないけどもっとバリエーションがあったほうがいいんじゃないだろうか。偏った移住イメージは逆に移住を遠ざけかねない。
地域に関する研究の多くは「特殊な」「先進的な」事例を扱うことが多いが、3月に出た『地域づくりのやる気学』は「普通の地域」「普通の人」の地域事例を取り上げている。誰もが、地域づくりに参加し、活動の支え手になれる方法を探究している一冊。
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「 「地方創生バブル」―。コンサルティング業界でそんな言葉がささやかれたことがある。…」 秋田魁新報の肝入り連載。丹念な取材と良質な批判的検討は一読の価値ありです。 戦略策定、コンサル業界に「地方創生バブル」 似通う内容、公金は東京へ|秋田魁新報電子版
地方農村や地域と関わる研究や活動が、ことごとく課題解決へと絡め取られていくことに対する違和感と重なる。存在意義の物差しが単純化しすぎている。 役に立たない地域研究がたくさんあって良いし、地域貢献や地域課題解決を目的としない取り組みがたくさんあって良い。キーワードは「楽しさ」かも。
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福井栄二郎
@natganigpa
今、大学の研究・教育がすべて「社会をよくするためのもの」になりつつある。それ自体、間違ったことではないけど、研究・教育が少しずつ「運動体」みたいになっているのが気になる。「正しいこと」が何なのか、ちょっと俯瞰して考えるのが大学の使命だと思うのだけど。
『計画行政』最新号に「戦後日本の国土計画における地方への移住促進言説の変遷」が掲載されました。 戦後日本で「地方移住を政策的に促進する」というアイディアと言説が、いかに動員され位置付けられてきたのかの一面を論じています。 考察では移住政策の課題と、次の国土計画にも言及しています。
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「ローカルって何だろう?」「よくローカルってみるけど何を指しているんだろう?」「地域らしさって?」そんな疑問をもつ人におすすめなのが、今年出たばかりのこちらの本。 日本におけるローカル・ローカリティを包括的に論じた1冊。英語だけど、研究者も現場の人も学びが多いと思う。
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小中高における地域学習は、生徒の成長や主体的な学びが最も大切にされるべき。 しかし、最近、まちづくりのために地域学習を利用する、「地域よがりの地域学習」にちらほら出会う。大半は、教育に理解の無い、地域の熱血まちづくり人みたいな人が絡んでいることが多く問題だなと感じている...
結局、いま本当に必要なのはイノベーティブで、クリエイティブなまちづくりではなく、地に足のついた地味なまちづくりなのだろう。もっと言えば、地域は無理に変えようとしなくてよいもので溢れているかもしれない。そんなメッセージを込めた本を次は書いていきたいと思っています。
関わる複数のアクターへの丁寧な取材記事。こうした具体的事例をめぐるプロセスや問題点、考えうる改善策をコツコツと示し続けていくことが重要だと思います。実名顔出しで取材に応じた皆さんは本当に素晴らしく、尊敬します。ここからは、行政の対応力が求められる段階。 nhk.or.jp/kochi/lreport/
近年、地方移住研究では、移住を開始する理由や希望する理由ではなく、移住を止めた理由や移住後のネガティブな出来事を扱った研究が登場しつつある。例えば、これは、移住中断者が、なぜどのようにして地方移住を中断するに至ったのかを量的に明らかにしたもの。 ndlsearch.ndl.go.jp/books/R0000000 #NDLサーチ
地方創生以降、地方移住者の人口=量的把握への批判が高まってきた。その結果、移住者の「質」に着目せよという声が現場からもアカデミズムからも高まりつつある。 しかし、移住者の「質」の重視という発想は、移住者を人材と捉えた上で、国や地域に役立つ人材=質が高いとされやすい。1/4
話題の『「東大卒」の研究』は、第1章が「「地方出身東大女性」という困難――出身地格差とジェンダー格差」から始まる。 この話題は、若年層・女性の東京一極集中とUターンという地方創生の核となる議論とも深く関連するので、地方創生やまちづくりに関心ある人も読んでみるといいかも。
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地域おこし協力隊制度を過度に美化したり希望の対象にすることは、やっぱり良くないと思う今日この頃。 個々人のトラブルや地域柄といった話ではなく、制度の構造的な欠陥や隊員が将来的に抱えうるリスクに蓋がされたまま、プラスな面だけに光が当たりすぎている。