「理不尽な教育やめた」と海上保安大学校校長 海保の離職・採用難で

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サンフランシスコ=奈良部健
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 海上保安官にこれからなる若者約60人が乗る巡視船「いつくしま」が、米サンフランシスコに寄港した。沖縄・尖閣諸島周辺などで威圧的行動を繰り返す中国との軍事衝突を招かないため、軍事力を持たない海保の役割が高まる一方、若者の離職や採用難が問題となっている。教育にあたる海上保安大学校の筒井直樹校長に話を聞いた。

 ――任官を控えた若者たちの最初の寄港地がサンフランシスコなのは、どうしてですか。

 「日本の海保は米国の沿岸警備隊をモデルに設立された。太平洋に面したサンフランシスコは、日米の結節点でもある。海上保安官の卵たちがまず行くべきはやはり米国だ」

 ――6月に日本、米国、フィリピンの3カ国の海保機関による合同訓練が、初めて日本近海で予定されています。

 「日米が協力して、アジア太平洋地域にしっかりと海上保安の思想を根付かせていくことが重要だ。日米がアジア各国を指導し、協力していく」

 ――中国海警局の船が日本領海に侵入したり、日本の漁船に接近したりする事案が増えています。船の重装備化も進めているとの指摘がありますが、どう対応しますか。

 「遠隔で監視できるレーダー…

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この記事を書いた人
奈良部健
サンフランシスコ支局長
専門・関心分野
テック、インド、財政と政治、移民難民、経済安保