権力監視のささやかな試み
総務省の”偽・誤情報対策”の変遷について、3月にINODSのウェビナーでお話をしました。そのときに使った図表を中心に、新しい図表も付け加えて、解説記事を書きました。新領域安全保障研究所(INODS)のサイトに掲載中です。ぜひご覧ください。☟
有識者会議の組織的変遷、議論の展開、方針の転換など、テーマごとにグラフや表を使ってなるべくわかりやすくまとめました。一目でわかる偽・誤情報対策!を目指してます(ちなみに私はこれらの対策には懐疑的な立場をとっています)。
選挙が近づくにつれ、政府の動きもマスコミ報道もSNS規制へと一直線に向かっています。少し前までは慎重論を唱えていたメディアもあったのですが、今ではすっかり政府広報と化し、総務省のリリースを無批判に報じている。ブレーキ役がいないのは怖いですね。
最近、総務省が公表した実態調査も、手法に問題があることが識者から指摘されています。それでも大手の新聞などは調査結果の吟味や裏取りをせず、そのまま記事にしているのです。せめて専門家のコメントを付すべきでしょう。
ネット上のデマその他の問題には対処が必要とはいえ、法規制には慎重であってほしいと思います。表現の自由に関わる規制は過剰適用になりやすいので、注意が必要です。
今年は「治安維持法100年」ということで、治安維持法とその時代背景について調べているところです。まさしくslippery slope(滑りやすい坂)の例えのように、規制対象がどんどん拡大していく恐ろしさがある。治安維持法は当初は共産主義者を対象としていましたが、改正のたびにどんどん適用範囲が広がって、ついには共産主義とは何のかかわりもない一般市民を検挙し、拷問するまでになっていきました。そういった戦時下の歴史を振り返ってから現在に戻ってくると、見えてくるものがあります。
災害やテロや選挙などで人々が不安になるとき、政府は安心・安全のためと称して規制を強めます。そういった動きに無批判・無抵抗でいると、いつの間にか身動きがとれなくなっているかもしれません。政府やマスコミは「ネットの嘘に騙されないで」といいますが、彼らの言説そのものが嘘かもしれない。
こういう陰謀論めいた話やマスコミ批判をするのは、気が重いことです。誤配と誤読の可能性があるためです。でも、ここ何年か言論の場も社会全体も抑圧的な雰囲気が強まっていて、自由が奪われていくことへの危機感を覚えます。黙っているわけにはいきません。
総務省の会議を傍聴したり、記事にまとめたりすることは、個人的な興味・関心から始まったことですが、わたしなりのささやかな「権力監視」なのです。マスメディアの皆さんに期待したいのですが、やってくれないなら自分たちでやるしかない。わたしたちは「微力ではあるが、無力ではない」のですから。
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