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生成AIの書いた記事を、人間の書いた記事のように見せるテクニックをすべてお見せします。

「生成AIにライターの仕事が奪われている」話を書きました。
その中に、こんな話がありました。

今後は ChatGPT が記事全体を執筆することになり、彼のチームのほとんどは解雇されました。

残った数人に残されたのは、ChatGPT の劣悪なテキストを編集して、より人間味のあるものにするという、さらに創造性に欠ける作業でした。

https://www.bbc.com/future/article/20240612-the-people-making-ai-sound-more-human

面白いことに、ChatGPTのテキストを編集して、「より人間味のあるものにする」作業があるというのです。

英BBCの報道ですから、おそらく実際にこのようなことが行われていたのだと思いますが、なるほど、と思いました。

要は、これは「ChatGPTの執筆する文章」と「人間の書く文章」には隔たりがあり、また、文章においては人間のほうが優れているという主張なのです。


では、本当に人間の書く文章と、生成AIの文章は、違うものなのでしょうか。

では、一つ問題を出します。
以下の2つの記事は、同じ出来事を報じた記事ですが、どちらが人間(日経新聞)が書いたものか、わかりますでしょうか。

パターン1

資生堂は7日、2024年12月期の連結純利益見通しを前年同期比72%減の60億円と発表し、従来の予想から160億円の大幅な下方修正を行った。不振が続く中国市場と免税品を扱うトラベルリテール事業の先行きが不透明なため、従来の増益予想を一転し、減益見込みへと転じた。

売上高の見通しは前年より2%増の9900億円と発表されたが、これは従来予想を100億円下回る水準である。2024年1月から9月までの売上高は前年並みの7227億円にとどまり、純利益は前年同期比96%減の7億円に落ち込んだ。中国事業やトラベルリテール事業の低迷が大きな要因となっており、特に販管費の低い免税品販売の落ち込みが影響を与えている。トラベルリテール事業では、中国や韓国での転売規制強化が響き、売上高が前年同期比で2割減少した。

中国市場では、経済の低迷と消費者の節約志向の高まりが背景にあり、化粧品需要は高価格帯と低価格帯に二極化している。資生堂の主力ブランド「SHISEIDO」は、低価格帯の価格競争に巻き込まれ、ブランド価値に影響を受けており、同社は戦略の再構築を迫られている。

資生堂は11月末に新たな構造改革を発表する予定であり、中国事業とトラベルリテール事業の抜本的な対応策を打ち出す見込みだ。

パターン2

資生堂は7日、2024年12月期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比72%減の60億円になる見通しだと発表した。従来予想(220億円)から160億円下方修正した。不振が続く中国事業と、免税品販売などのトラベルリテール事業の先行きが不透明だとして、増益としていた従来予想を一転して引き下げた。

売上高は2%増の9900億円となる見通しで従来予想を100億円下回る。

1〜9月期の売上高は横ばいの7227億円で、純利益は96%減の7億円だった。中国事業とトラベルリテール事業の低迷が響いた。特に販管費が低く利益率の高い免税品販売の落ち込みが鮮明で、トラベルリテール事業の1〜9月期の売上高は中国や韓国での転売規制強化などの影響で2割減となった。日本事業や欧米事業の好調で補えなかった。

中国の化粧品市場では景気悪化に伴う消費者の節約志向の高まりをきっかけに、高価格帯と低価格帯で消費が二極化している。主力ブランド「SHISEIDO」が低価格帯の価格競争に巻き込まれてブランド価値が傷ついており、戦略の立て直しが急務だ。

資生堂は11月末に新たな構造改革を発表する。苦境から抜け出せずにいる中国事業やトラベルリテール事業の抜本的な対応策を打ち出す。

さて、どちらが人間で、どちらが生成AIか。

ちなみに、ユーザーローカルの出している「生成AIチェッカー」にかけると、どちらも「人間によって書かれた可能性が高いです」という判定になります(!)。

見ていただくとわかりますが、驚くべきことに、生成AIによって書かれたテキストかどうかはほとんど区別がつきません。

にも関わらず、この内の一つは確かに人の手で、もう一つはChatGPTによるものです。

どうやって「人間ぽい文章」を書かせたか

さて、上の文章、前者はChatGPTで、後者は日経新聞の引用です。

が、どのように「人間ぽい文章」を書かせたのでしょうか。

実はとても簡単です。
日経新聞の記事を読ませて、「この情報をもとに、報道記事を書きなさい」と命令しただけ。

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その結果、人間の書いたもの特別のつかない記事を出力することができています。

「元の文章があるのだから、当たり前では?」と言う方もいるでしょう。
でも、実はそれがまさに、生成AIに「人間ぽい文章」を書かせることの本質なのです。

つまり「元ネタ」があれば、AIの文章は人間に近いものになる。


例えば、上で取り上げた日経新聞の記事をつかって、ChatGPTに「要旨を箇条書きにしなさい」と命令すると、以下のようになります。

◯資生堂は2024年12月期の純利益見通しを前年同期比72%減の60億円に下方修正。
◯中国事業とトラベルリテール事業の不振が続いているため、利益予測を引き下げた。 特に、転売規制強化の影響で免税品販売が低迷し、トラベルリテール事業の売上が減少。
◯中国市場では景気悪化により、消費が高価格帯と低価格帯に二極化している。 主力ブランド「SHISEIDO」が低価格帯の価格競争に巻き込まれ、ブランド価値が損なわれた。
◯日本や欧米事業の好調も全体の業績低迷を補いきれなかった。 資生堂は11月末に中国事業とトラベルリテール事業の構造改革策を発表予定。

元記事の日経新聞のの文体は跡形も残っていません。

さて、今度はこれをインプットとして、ChatGPTに
「これを基にして、報道記事を書きなさい」
と命じます。するとどうなるか。

資生堂、2024年12月期の純利益予測を72%減の60億円に下方修正 - 中国とトラベルリテール事業の不振が影響

資生堂は、2024年12月期の連結純利益予測を前年同期比72%減の60億円に下方修正すると発表した。中国市場とトラベルリテール事業の不振が続いており、特に免税品販売の低迷が業績に影響を与えている。中国では経済の減速により消費傾向が高価格帯と低価格帯に二極化しており、主力ブランド「SHISEIDO」も低価格帯の価格競争に巻き込まれ、ブランド価値が損なわれた。

また、中国における転売規制の強化が免税品販売の減少を招き、トラベルリテール事業の売上が落ち込んでいる状況である。日本や欧米事業は比較的好調に推移しているが、全体の業績低迷を補うまでには至っていない。

資生堂は、11月末に中国事業およびトラベルリテール事業の構造改革策を発表し、収益の回復を図る方針である。

この記事は生成AIが書いたように見えるでしょうか?
見えないですよね。実際、「生成AIチェッカー」でチェックをしても、人が書いたものであると判定されます。

事実を再構成するような文章であれば、実は「生成AIぽさ」というのはあまり気にする必要はありません。

報道ではなく、主張を伴う記事はどうか?

しかし、たまたま「報道」という分野が、生成AIとの相性が良く、人間と区別のつかない記事が書けるだけかもしれません。

そこで次に「記事」について見てみたいと思います。


私は「求人ボックスジャーナル」というカカクコム社の運営するメディアに、10本以上寄稿をしています。

題材としてその中に
「なぜコンサル会社は、圧倒的なスピードで「新人を即戦力化」できるのか」という記事がありますので、これで検証してみましょう。

まず、以下が原文です。

生成AIチェッカーで、チェックをすると、「人の手で書かれた可能性が高いです」と出ます。当たり前ですけど。
では、同じようなテーマで、生成AIに記事を書かせてみましょう。

ただし、もともとこの記事は、上のタイトルではなく
「新卒を短期間で1人前にする、コンサルティング会社の新人育成法。」
というタイトルで書きましたので、AIにも同様のタイトルで執筆をしてもらうことにします。

では、手始めに記事を出力させます。
プロンプトは、メディアから依頼された文章をほぼそのまま使っています。

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出力は以下です。
3000字といったのに、1000字も出力してくれないのは相変わらずですが、まあいいでしょう。

新卒1年目や異業種からの転職で新たなスタートを切る皆さん、そして新人を早期に戦力化したいと考えるリーダーの皆さんへ。コンサルティング会社が実践する新人育成法を通じて、短期間で一人前のビジネスパーソンになるためのポイントをお伝えします。

1. 個人の新人時代のエピソード

私が新卒でコンサルティング会社に入社した際、最初のプロジェクトで大きな壁に直面しました。クライアントの課題を分析し、解決策を提案するという業務内容に圧倒され、何から手をつけて良いのか分からず、毎日が試行錯誤の連続でした。しかし、先輩や上司からのフィードバックを受け入れ、自ら積極的に学ぶ姿勢を持ち続けた結果、徐々に自信を持って業務に取り組めるようになりました。

2. 新人は組織から何を求められているか、1年後どういう姿であるべきか

組織は新人に対して、以下の点を期待しています:

主体性の発揮:自ら考え、行動する姿勢。
基本的なビジネスマナーの習得:適切なコミュニケーションや礼儀作法。
業務遂行能力の向上:タスク管理や問題解決能力の習得。

1年後には、これらのスキルを身につけ、チームの一員として自立して業務を遂行できる状態が理想とされます。

3. 5つの習慣

新人が短期間で成長するために、以下の5つの習慣を取り入れることをおすすめします:

積極的なフィードバックの受け入れ:先輩や上司からの指摘を前向きに受け止め、改善に努める姿勢を持つ。
継続的な学習:業界の最新情報や専門知識を自主的に学び、知識の幅を広げる。
タイムマネジメントの徹底:タスクの優先順位を明確にし、効率的に業務を進める。
コミュニケーション能力の向上:報告・連絡・相談(報連相)を適切に行い、チーム内外で円滑な情報共有を図る。
自己評価と振り返り:定期的に自身の業務を振り返り、成功点と改善点を明確にする。

4. まとめ

新人として意識すべきことは、主体的に学び続ける姿勢と、周囲との円滑なコミュニケーションです。これらを実践することで、短期間で一人前のビジネスパーソンへと成長することが可能です。リーダーの皆さんは、新人がこれらの習慣を身につけられるよう、適切なサポートとフィードバックを提供することが重要です。

正直なところ、「まあ、AIが書いたな」という感じです。
生成AIチェッカーの数値も、8割がたAIでしょうとの判定。そうですね。


ではこれをAIを使って、「人間が書いたように」見せていきましょう。

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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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