2年間続けたヒゲ脱毛 男らしさの行方は?
医療用レーザー脱毛機の進化
都内の自宅近くにちょうどその頃開業した皮膚科医院に通い始めた。同院は蓄熱式のイスラエル製医療用レーザー脱毛機を使っている。別の医療機関で勤務しているときに、ヒゲ脱毛の需要の高さを肌で感じたという光谷純郁院長は「医療用レーザー脱毛機の進化で痛みが少なく、スピーディーに施術できるようになったことが大きい。ヒゲ全体の脱毛は1回につき15~20分ほどで終わる」と話す。
照射時の痛み、大きなハードル
医療脱毛は、医師または医師の監督・指示の下、看護師が行い、毛の黒い要素であるメラニンにレーザー光を反応させて、毛を作り出す細胞などを破壊する。これが医療行為に該当するわけだ。一方、エステやサロンは医療資格のないエステティシャンが施術するため、医療用のレーザー脱毛機は使用できない。出力の弱さなどから、厳密には脱毛とは呼べない。
ヒゲ脱毛には大きく分けると、蓄熱式とショット式がある。記者が続けたのは蓄熱式。低出力のレーザーを2~7秒間、繰り返し照射することで皮下に熱を蓄積して毛に関連する領域を破壊する。ショット式に比べ、痛みややけど、ムラが生じるリスクが低いとされる。とはいえ、照射時に生じる痛みが、ヒゲ脱毛の大きなハードルだ。
前より若く見られるように
一般的に脱毛の完了には10~15回かかる。施術は1か月に1回ペース。記者はまずヒゲ全体を脱毛する6回コースを選んだ。回数を経るごとに毛量が減り、照射時の痛みを感じることが少なくなった。半年後には大部分のヒゲがなくなり、毎日の処理が楽になった。めざましい効果を実感した。だが、口周りにはまだ多く残っていたため、さらに10回追加。日焼けをした夏から秋はやけどのリスクがあることから通院を避けた。施術後に患部が少し赤くなることがあった程度でトラブルはなかった。男らしさの象徴を一つ喪失したとの思いも全くない。2025年5月現在、唇下にヒゲが少し残るが、他部位にはほぼ生えてこない。ちなみに白髪には照射効果がない。