自民擁立の杉田水脈氏、専門家が指摘する「三重の責任」=鵜塚健
差別は「政治の肥やし」なのか。度々、差別的言動を繰り返してきた杉田水脈元衆院議員を、自民党が今夏の参院選比例代表に擁立するという。杉田氏擁立を巡っては、複数の市民団体が再考を求めて自民党本部に要望書を提出するなど反発の声が収まらない。ヘイトスピーチに詳しい専門家は、杉田氏には「三重の責任」があると指摘する。経過をふまえ、今一度考えたい。
「(LGBTQなど性的少数者は)生産性がない」「女性はいくらでもうそをつける」。杉田氏が差別的言動を重ねてきたのは多くの人が知る通り。改めて確認したいのは2023年に公的な機関が杉田氏の言動にはっきりと「NO」をつきつけたことだ。
杉田氏は16年2月、国連女性差別撤廃委員会に参加したアイヌ民族や在日コリアンの市民団体の女性について、「民族衣装のコスプレおばさん」「ハッキリ言って小汚い」「日本国の恥さらし」などとブログに投稿した。中傷を受けた当事者が人権救済を申し立て、札幌と大阪の両法務局は23年、投稿が人権侵犯に当たると認定した。杉田氏はブログの記述を削除し、謝罪をした一方で、人権侵犯認定があったこと自体を否定したり、あいまいにしたりする発言を繰り返している。
杉田氏の公式サイトに4月以降、掲載されている漫画「杉田水脈 真実と戦う記録」をのぞいてみた。監修は杉田氏本人。「国連では、市民団体がうそつき放題」との見出しを掲げ、「差別されてるニダ」「日本人からイジメを受けてます」などと訴える女性たちが登場する。韓国語の語尾を引用してちゃかしており、在日コリアン女性をおとしめる狙いは明白だ。市民団体の「デマ」を「潜在的に反日の国連」が受け入れ、国連の主張を「反日マスコミ」が拡散する。そんな独自の見方も漫画で展開している。
差別を扇動する「犬笛」
こうした杉田氏の一連の言動に「三重の責任がある」と指摘するのは、ヘイトスピーチに詳しい明戸隆浩・大阪公立大准教授だ。まず問題とするのは…
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