ネットで女性と知り合い約2億円の被害「ロマンス詐欺」で捜査
鳥取県内の男性が、インターネットを通じて知り合った女性から、暗号資産への投資に誘われるなどしておよそ2億円をだまし取られ、警察はいわゆる「ロマンス詐欺」の手口と見て捜査しています。
こうした手口の詐欺の被害額としては県内では過去最高で、警察は「インターネットで知り合った面識のない人からの投資話を安易に信用しないでほしい」と呼びかけています。
警察によりますと鳥取県内に住む男性はことし4月、インターネット上で友人を募集する掲示板で知り合った、東京に住む女性だとする人物とLINEでやりとりを始めました。
このなかで男性がお互いの生い立ちや生活の状況についてやりとりをしていたところ、女性から「あなたはとても紳士的だ。関係を深めたい」といった男性に好意を寄せるようなメッセージが送られてきたということです。
女性と知り合ってからおよそ10日後、男性は「暗号資産への投資で稼いでいる。一緒に見習えたら私の心もうれしくなるでしょう」などと誘われました。
これを受けて男性は紹介された偽のサイトでアカウントを開設し、指定された口座に650万円を振り込んだところ、このアカウント上に利益が出たと表示されました。
その後も「一緒に参加することに一番意味があり、愛を感じることができる」などとして追加投資をするよう誘われ、あわせて5600万円を振り込んだということです。
また男性は女性と「金融アナリスト」を名乗る人物のLINEグループに加わりました。
そして「金融アナリスト」からの指示に従って、アカウント上で投資に関する操作をしたところ利益がさらに上がっているという表示が出たということです。
これを受けて「金融アナリスト」は、指導料金を振り込むよう請求し、男性は3300万円あまりを振り込みました。
男性がサイトに開設したアカウントには投資によって利益が出たと表示され、その残高は8億円に上ったということです。
そして男性がことし6月に8億円を引き出そうとしたところ、口座の入出金の担当者から「セキュリティリスクがあり資金認証金を払わなければならない」などと指示され、指定された口座におよそ1億円を振り込んだということです。
さらに同じ担当者から、口座からの出金のための保証金としておよそ1億4400万円を請求されたことから不審に思い、金融庁の窓口に相談したところ被害に気づいたということです。
警察はSNS上などでのやりとりを通し恋愛感情や親近感を抱かせた上で、投資などを持ちかけ、金銭をだまし取るいわゆる「ロマンス詐欺」の手口とみて捜査しています。
この事件の被害額は1億9614万円で、こうした手口の詐欺の被害額としては県内では過去最高だということです。
警察は「インターネットで知り合った面識のない人からの投資話を安易に信用せず、不審に思ったら警察に相談して欲しい」と注意を呼びかけています。