札幌市は2025年5月16日、SNS上で拡散された暴行動画を巡り、建設業の「株式会社花井組」(本社:札幌市西区)に対して、すべての発注工事の契約を解除するとともに、同日から4か月間の入札参加停止処分を科したと発表した。
対象となるのは、市が花井組と締結していた次の6件の公共工事で、5月14日付で正式に契約を解除したという。
■解除された6件の公共工事一覧
- 八軒50号線(東発寒5号線~道道下手稲札幌線)における歩道バリアフリー整備工事
- 豊平川区域の下水道新設工事
- 厚別区の下水道新設工事
- 東区の配水管整備工事
- 中央区の配水管移設工事
- 清田区の水道耐震化工事
■「完成の見通し立たず」と花井組側が契約解除を申し出
この一連の契約解除について、市側による一方的な処分ではなく、実は花井組側からの申し出によるものである。関係者によると、5月13日、同社が札幌市に対してすべての契約解除を求める意向を伝えたという。
花井組はその理由として、以下のような説明を行っている。
「5月7日にインフルエンサーによって動画が拡散されたことを受け、各方面から批判が殺到している。このまま工事を継続すれば、現場でのトラブル発生も予想され、工程通りに完工することが困難になるおそれがある。現在の出来高がほとんどない段階での契約解除は、合理的判断であると考えた」(同社コメント)
■“暴行動画”は社長とされる人物の行為 札幌市は「正当理由に該当せず」と判断
問題となっているのは、2025年3月頃に撮影されたとされる動画で、社長とみられる男性が自社の社員に対して暴力をふるっている様子が映されていた。動画は5月7日にSNS上でインフルエンサーにより投稿され、急速に拡散。ネット上では「労働環境の劣悪さを象徴する事例」として炎上し、批判が殺到していた。
札幌市は、こうした動画の拡散を理由とする工事契約の解除について、「社長個人の行為に起因するものであり、契約解除の正当な理由とは言えない」と判断。市の契約規則に基づき、花井組に対して2025年5月16日から同年9月15日までの「指名停止(入札参加停止)」措置を発動した。