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【トーク】『世にも奇妙な物語』少しマイナーな神回10選

これを観に来た皆さんは多かれ少なかれ『世にも奇妙な物語』を観た事があるという人が多いと思います。ですが、この作品は話数が何百とありとても多く、全て観た事がある人は少ないと思います。
「『世にも奇妙な物語』の中で有名所はかなり観たけど、他は何が面白いのだろうか?」そう悩んでいる貴方に見てほしい。
ランキングでいつも並ぶあの名作達は省き、洗礼された変化球的神回のランキングを作りました。
全部知ってる人もいるかもしれませんが、
「主はこの回が好きだったのか!」と温かい目で見守って楽しんでください。


第10位 ガード下の出来事
あらすじ

ボギー風のトレンチコートに身を包み、ハットを目深にかぶった男(菅原文太)が、おでんの屋台で飲んでいる。男は、周囲の客の会話を素知らぬふりで聞いているのだが、話が佳境に入ると、決まって新しいお客が入ってきたり、おやじの発した大きな声に遮られたりしてしまう。何かしらの邪魔が入り、どうしても肝心のオチが聞けなかった。

感想

まずこの回がこの順位なのは題材の目の付け所が良い事が大きな原因でしょう。
この誰でも何処でも体験できそうな日常の些細な隙間だからこその醸し出される雰囲気。
そこに奇妙な世界が顔を見せるから共感も面白さも出てくる不思議な魅力です。
人々の繰り出す愉快な小話に小耳を挟み、感情が上下する主人公の絵面、そして視聴者もオチが気になる数々の話、面白いです。
かなりありよりな展開が続くのでそこが少しマイナスポイント。なのでこの順位です。

第9位 太平洋は燃えているか?

第二次世界大戦中、敵国空爆の重大任務を背負ったまま、作戦途中で忽然と姿を消した戦闘機『雷神』。それが突然、現代に姿を現した。別世界に迷い込んでいるという状況を理解せぬまま、任務を遂行しようとしている戦闘員たち。このままでは、世界が大変なことになる。『雷神』の通信兵、本田正生の孫(草野康太)にあたる、本田時生(川岡大二郎)が急きょ、説得のために呼び出され…。

感想

この話は結構心がhotになります。予測のつかない激熱なやり取りが空と地上で行われるわけですから、たまらんです。
現代に戦争が生み出した負の遺産がタイムトラベルしてきて、それがまた戦争を起こそうとしている。それを止めるのは戦闘機内の通信兵の孫。
これはもう聞いただけで神回の風が吹きますよ。
言葉達が紡ぐ感動、そして衝撃。
なぜここまでの名作が無名なのか、、、

第8位 銃男

田中太郎(草彅剛)は、何事にも自信のない銀行マン。新聞は一応取っているが、読んだことはなく、よれよれのスーツで出勤し、前から犬が来ると、道の端によける始末。電車内で大声で携帯電話をする、ちょっと怖そうなお兄さんには、もちろん注意なんてできやしない。
 ある日、融資の話を他行の融資担当に目の前で持っていかれてしまい、課長に怒鳴られて帰ると、田中宛てに不思議な小包が届いていた。開けてみると、それは銃だった。銃を持っているうちに、田中は力が湧いてくるのを感じて…。

感想

この回では役者の演技がとても輝く一品になります。
得にピックアップするとすればこの主人公演じる草彅剛さん。この人は十三番目の客の時も痛感したのですが、人間の弱い面と強い面を表現するのがうますぎる。
これ以上僕の拙い言葉で表現すると彼の質が落ちてしまう気がするので止めときます。
これは実際に観て、感じてほしい。是非とも。

展開も面白く、最後の一言と最後のワンシーンは息を呑むほどに迫力満点。
「すげぇぇ……」の一言に尽きます。

第7位 ともだち

大学生の三村友康(香川照之)は、ファストフード店でのアルバイトに苦戦していた。接客に必要な笑顔が、どうしてもうまく作れないのだ。恋人の西村和世(七瀬なつみ)との関係も修復が必要だった。そんなある日、三村はある青年(錦織一清)から友達になってください、と頼まれる。不気味に思って冷たくあしらうと、それから青年に、付け回されることになってしまう

感想

「隠れたガチホラー回は?」と聞かれたら、僕はこの作品を答えます。
この作品の怖さを大雑把に解説すると主人公がとにかく名前も知らない、会ったこともない、そんな赤の他人の青年から突然前触れもなく、
「僕とお友達になってください。」
と言われ、断っても、断っても承諾するまで一生涯付き纏うと言わんばかりに何処にでも追いかけてきて、友達になれと迫る所です。
彼にとって友達とは何か?そもそも彼は人間なのか?それは作中では明かされません。
ただ不気味で無機質な暗闇がこちらに誘い込もうとしている様子を画面で眺めるしかない。
とても怖い。主人公を自分と置き換えるともっと怖い。
そしてオチの理不尽が一気に主人公と我々を恐怖に突き落とす。
この作品は不条理ホラー。現実を模写した怪作。

第6位 ボールペン

幼なじみの安永良子(桜井幸子)と藤井 智(中上雅巳)は、ケンカばかりしているが、実は互いに好意を持っていた。ある日、良子は友達の美樹から、ある文房具店の緑のボールペンで1日1000回願いごとを書くと、願いがかなうと聞く。友達に続々と効果が表れたことを知った良子は、ボールペンを購入。願いごとを書き始めるが…。

感想

この話の途中まではなんかよくある話だな、誰か死なないかなぁ、人死なないかなぁ、と思いながら観ていたのですが、もうね、
ごめんです。はい。
もう結構ネタバレになっちゃうのですが、この話、コメディ系です。
なんでこの順位にしたかというと初めの期待値の無さから来てるのが大きいと思います。なのでこのランキングを観てからだと少しだけ楽しめなくなってしまうかもしれません。
ですけどそれでも十分楽しめると思います。
オチにはまぁそらそうよなと微笑してください。
最近は刺激中毒になっていましたがこういうほんわか和み物も乙なもんですな。

第5位 真夜中の殺人者

木田亜矢香(相武紗季)は、自宅のマンションで会社の友人・藤崎詩織(鈴木亜美)と飲んでいた。ガールズトークで盛り上がる中、数日前に会社でも地味な存在の後輩・草野聡史に告白されたことを話す。むげに断るのも今後の関係に差し支えると、亜矢香はメールで、「何か私が飛び上がるほどビックリするようなことを成し遂げれば、付き合ってあげる」と草野に送ったことを話す。
 時を同じくして、マンション内で殺人鬼が、一部屋一部屋と、その部屋の住人を撲殺していく。二人がいるのは2107号室。殺人鬼は2100号室、2101号室と迫ってくる…。

感想

ここにきてレベルが上がります。ここから半分はかなり内容、オチ、演技、雰囲気、どれも完成度が高く、世にも奇妙な物語の前衛的な比較的マイナー作品が揃っています。
この作品はランキングの中では比較的有名所ではありますが、知らない人もまだまだいると思います。有名なだけに実力は本物です。
確か、世にも奇妙な物語の本バージョン(?)が原作で、その本の口コミを見た所一番好きだったと言う声が多かった作品です。
TV版でやらないかと待望の声もあるくらいの作品だったので是非ともお勧めです。
これはミソの所はやはり腹がキリキリするほどの緊張感、臨場感、オチ。
それはもう凄いですよ。
なぜこの順位にしたのかぜひ観て確かめてください。

第4位 大予言

福田良一(吉田栄作)は恋人の前島由紀(松本伊代)と、有名な予言師・ガルーダが出演する公開生番組を観覧していた。ガルーダが予言したのは、これから起こる殺人事件解決のヒント、航空機の事故、そして福田が「13日の金曜日」に死ぬということ。13日は今日から3日後だ。一躍、時の人となった福田は、マスコミに追い回されることに。そんな中、本当に起こった殺人事件が、ガルーダのヒントで解決される。

感想

初期の世にも奇妙な物語のロッカーや歩く死体、死ぬほど好きなどの名作トラウマ回に隠れてしまってますがこの作品はそれに負けず劣らずです。
この作品を初めて観た時の衝撃というか恐怖は今でも想起するくらいにこの話は恐ろしく、まさにトラウマです。
男は13日に本当に死ぬのか、どう死ぬのか、その間男はどう思うのか、視聴者の好奇心が駆られる内容で、最後はどうなるか、最後はどうなるかとその物語の時間が経っていくにつれてそれは強くなります。
その人間の増していく好奇心、それは運命なんかよりもよっぽど怖いものです。

第3位 赤と黒

時限爆弾が仕掛けられたビルの一室で、赤い服の女(岸本加世子)は、後ろ手に縛られていた。そして、そのビルをめがけて走り続ける黒ずくめの男(大沢誉志幸)。男は時折時計を見ながら、ただひたすらに走り続けていた。女は必死に脱出を試みるが、ロープはほどけない。爆発は目前に迫っている。はたして、男は女を救うことができるのか。

感想

この作品は世にもの中でもかなりの異色作です。というか3〜1位まで全部異色作です。かなり前衛的で先鋭的なので好きか嫌いかは分かれるかもしれません。
でもまぁ世にも奇妙な物語好きは物好きが多い気がするので(偏見)
ということで3位のこの作品はなぜ異色作なのかというと
普段の物語は15〜30分くらいの尺のところこの物語はなんとたったの3分だけ。
作品が終わる頃にちょうどカップラーメンが出来上がります。
この物語の異質さは尺だけではなく、内容にもあります。
なんとこの物語のほぼ全て男が走るシーンと縛られた女の人が爆弾を眺めるシーンそれが交互に映し出されるだけ。
女の人は助かるのだろうか、ただその疑問だけが僕の目と彼の足を動かす。
そして最後の「なるほどそういうことか」の後のあれはその物語をより濃く味わい深くさせます。
これはぜひ観てほしい。

第2位 そのボタンを押すな

男(西村雅彦)は何者かに連行されると、壁にボタンが一つある以外は何もない部屋に閉じ込められてしまった。監禁される前に言われたのは、絶対にそのボタンに触れるなということ。男は次第に、そのボタンを押したい衝動に駆られ、自分を抑えられなくなってしまう。

感想

これは面白すぎる。
久しぶりにこんなに騙されたのでまだまだ世にも奇妙な物語は知らないだけで面白い回がごろごろと埋まっているのだなと改めて気付かされた嗜好の一品です。
1位と少し似ていてとにかく話が単純なんです。その分トリッキーな仕掛けでたまりません。
男がただボタンを必至に押すか?押さないか?と自問自答して押した後、恐ろしいことが起きる。ある意味そうですが、そこだけでは終わりません。
この問題作をどんでん返しと知らずに見たほうが何倍も楽しめると思うのですが、すみません、言いたくて仕方がありませんでした。

第1位 奇数

会社員の中田徹(柳葉敏郎)がバス停に着くと、すでに人が並んでいた。しばらくして中田の後に並んだ女子高生は、自分が何番目か、しきりに数えている 。不思議に思う中田…。そして、バスがやってきた。次々と乗り込む乗客たち。よく見ると、乗り込んだ客は、並んでいた通りに座席番号順に座っていく。中田は七番目だったが、思いきって別の席に座ってみた。中田の後ろに並んでいた女子高生は八番目の席に座った。しかし、乗客がすべて乗り終えてもバスは発車しない。もしや自分が七番の席に座らないからか。他の乗客の視線を感じた中田は、空いていた七番のイスに座ると、ドアが閉まり発車して…。

感想

素晴らしい。僕が見てきた世にもの中でマイナー問わず一番好きな作品です。
もう言いたいことが多すぎるのですが今回は抑えて一番伝えたいミソの部分を話します。
この作品を一言で言うなら、

要らないものを全て削った
まさに引き算の美術の具現

です。もう声なんて要らない、表情だけで全てを伝えよう。不要な状況を消し、雰囲気だけで視聴者にこの手に汗がにじむほどの体験を感じさせよう。
これなんですよ。一本の糸ほどの情報量、これだけで日常の奇妙を表す。挑戦的で凄い好きですね。
そしてこの最小限に詰め込まれたからこそ輝く最高のオチ。
これはもう僕の中で国宝レベルです。
なんて綺麗な作品なんだ。





最後にまとめ

僕はこのランキングを見て、その作品を知り、さらに色々な人に世にも奇妙な物語の世界に足を踏み入れてほしい、そしてその足で沼に入り一生その沼から抜け出せなくなってほしい、そんな気持ちになってもらえたら嬉しいです。
今この作品を振り返って思ったのですがマイナーと言えるのか危うい作品も何個かありますね。まぁそれも大目に見てください。
そして世にも奇妙な物語の楽しみ方は人のランキングを見てその話を視聴しに行くのが1つの楽しみだと思うのでこれからも機会があれば、こんな感じのランキングを世にも奇妙な物語やそれ以外の作品で作っていきたいですね。なので気になる方はイイねとフォローお願いします!

それではさようなら。

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