『ファイターズヒストリー』&『溝口危機一髪!!』



『ファイターズヒストリー』とは?

『ファイターズヒストリー』とは、今はなき(←多分)データイーストが発売した2D格闘ゲームです。
古参のアーケードゲーマーの方の中には、このタイトルを聞いて「ああ、カプコンに訴えられたゲームね」と思い出す人もいるかもしれません。
いや、私はSFC版が出るまでこのゲームの存在自体知らなかったのですが、なんか過去にそんな事があったらしいです(結局訴えは通らなかったとか)。

このゲームは1993年3月にAC版が発売されたそうなんですが、当時は前年末に『ストリートファイターIIターボ』と『飢狼伝説2』が発売されたばかりというまさに格ゲー全盛時代のまっただなか。いかにも便乗くさいですね。
ちなみに『ファイターズヒストリー』とほぼ同時期の1993年4月には『ワールドヒーローズ2』が発売されているのですが、双方に「リョウコ」という柔道少女が出ていたのが何と言うか時代を感じさせます。
もっとも、こと人気に関していえば、比較にならないレベルでワーヒー2のリョウコに軍配が上がっていたようですが。

どっちのリョウコもボイスがなんかヘンだというのは、デコとADKという男くさいメーカーのポリシーがユーザーに媚びる事を許さなかった…ということにしておきましょう。

ファイターズヒストリーには、あまりゲーム面でオリジナリティを感じられるようなところはほとんどないんですが(「弱点システム」ったって「ふーん」ってな感じだし)、あえて特筆すべき事があるとすれば、必殺技コマンドでしょうか。
いや、昇龍コマンドをあえて採用してないとかそういうとこじゃなく、このゲームを起源とする(と思われる)コマンド入力が結構あるのです。例えば…。

●斬空波動拳にさきがけての空中での飛び道具(空中蟷螂斬)
●烈火拳にさきがけての連続入力の必殺技(空中連続蹴り)
●ヒット後の追加入力技(縦四方固め、ダッシュ頂肘)
●アトミックスープレックス/フライングパワーボムにさきがけての
距離で切り替わる投げ技(超山嵐/真空一本背負い)


メジャータイトルの中ではこれらのコマンド要素はまだなかったので、ファイターズヒストリーが格ゲー史上初めて導入したんじゃないでしょうか。
とか言って凄いマイナータイトルの中に先例があったりすると困ってしまうんですが(笑)、とりあえずそういう指摘が無い限り、ここでは技コマンド面でわりと重要な役割を果たしたゲームというように位置付けておきます。
だってキャラの濃さ以外でこのゲーム評価しようと思ったらそれぐらいしかないし。
…あ、レスポンスのいい操作性があるか。

あと、
「チンコンターイ」(「穿弓腿」の広東語読み)とか
「ラ・バルローズ」(仏語で「バラ投げ」)とか
「ティー・カウ・コーン」(ムエタイのヒザ蹴りの一種)みたいに
やたらとネイティヴ発音にこだわる姿勢は、いかにもデコっぽくて私は好きです。
まあ、誤聴の宝庫として故・ゲー〇ストとかでネタにされてたようですが、それはそれで話題になったんだからいい事でしょう。

と、なんだか褒めてんだかけなしてんだかわかんないような文章なんですが、決して悪口を言ってるつもりはなく、いや、ストIIターボとどっちが面白いかって言われりゃそりゃストIIターボなんですが、とにかく私はこのゲームが好きなのです。…割と(おい)。
好きじゃなきゃわざわざこんなコーナー作りはしません、ってなわけで勝ち台詞一覧表をご用意いたしましたので、さあどうぞご照覧下さい。
…「どうぞ」ったって誰に向かって「どうぞ」って言ってんだかさっぱりわかりませんが。

ファイターズヒストリー勝ち台詞一覧表





『溝口危機一髪!!』とは?

ファイターズヒストリーはそれなりに好評だったようで、今となっては懐かしささえ感じるネオジオで続編が発売されました。
その名も『ファイターズヒストリ-・ダイナマイト』。
当時の格ゲーは続編(というか新バージョン)に『SPECIAL』とか『X』とか『JET』(こんな奇抜な名称をつけるのは、もちろんワーヒーのADKです)とかいろんなサブタイトルをつけてましたが、そんな中でも『ダイナマイト』ってのはブッチギリに頭が悪そうで、かつ無闇に勢いだけはあり、さすがデコといったところです(褒めているつもり)。

ところで、このゲームの続編化に大きな役割を果たしたキャラクターは、やはり何と言っても「ミゾグチ」こと溝口誠なのではないでしょうか。
「喧嘩百段」を名乗る27歳の高校生というバカすぎる設定に加え、「タイガーバズーカじゃ!」「チェストー!」「おんどりゃー!」「ボケがぁ!」「出直してこい!」などのインパクト極大なボイスによって(一部の)ゲーマーの心をわしづかみにした(と思われる)溝口。
28歳になった『ダイナマイト』では、「ごっついタイガーバズーカ」「通天砕」(ちなみにこの技は神龍拳にさきがけて、相手を持ち上げる形で空中多段ヒットします)という強烈な追加必殺技をひっさげ、もうその濃さたるや死海の水のごとし。多分人が浮きます。
もっとも、ファイターズヒストリーってのはいわゆる美形キャラが存在せず(ジャンはなんか違うし・・・。贔屓目にみてようやくレイとリーがまあまともな部類に入るかどうかってとこ)濃いキャラばっかだったのに、続編で美形キャラを出すかと思えば、また懲りもせずにザジィなんて濃いヒゲオヤジを追加してきて「もう濃い顔はお腹いっぱいなんだよ!」と叫びたくなるようなゲームなので、ある意味ミゾグチってのは主役のレイよりもこのゲームを象徴している存在と言えますが。

とか言ってたら本当にレイを蹴落としてミゾグチが主役になってしまったのが、『ファイターズヒストリー・溝口危機一髪!!』です。
一応『ダイナマイト』のSFC用移植という位置付けになるのでしょうか?
…と、なにか奥歯にものが挟まったような物言いになってしまうのは、このゲームは元・主人公のレイを筆頭に5人ものキャラがまとめてリストラされてしまっており、純然たる移植とは到底言えないからです。
現に『ダイナマイト』のダの字も見あたりませんし。

つうかタイトル画面に並んだ各ゲームモードの最上段に燦然と輝くのが「MIZOGUCHI」モードってのから分かるとおり、完全に溝口が主役のゲームです。
ええ、当然ミゾグチモードでは溝口しか使えません。
ついでに言うと、溝口は29歳になっても相変わらず高校生のままです。
さらに言えばミゾグチモードのストーリーは、
浪花のシンボル“タコヤキ屋 浪花一番”の看板が奪われた!!(中略)看板を取り戻すため溝口は旅立つ!!(原文ママ)
というバカ丸出しなものです。
このあたりからしてもうついてこれない人もいるでしょうし、逆に面白そうと思う人も(もしかしたら)いるかもしれません。
そのへんは好みの問題なので、第一印象に従うのがいいと思います。
もちろん、もともと溝口目当てにファイターズヒストリーを買った私は、「うわ、買わなきゃ」って感じで即座に購入決定しましたが。

前作のボスはかつてアクションゲームで主役を張っていたヒゲデブオヤジの「カルノフ」で、その意外な人選でゲーマーを驚かせたものでしたが(多分)、今回のボスはその親戚筋にあたるという、これまたかつてのアクションゲームの主役「チェルノブ」です。かつて原発事故があった時に某朝日方面から「不謹慎すぎる」と叩かれ、デコの社員が「偶然の一致」と言い逃れた(しかも偶然じゃないのに)という愉快すぎる逸話(あと、聞くところによると絶対に後戻りできないとか、ジャンプがカクカクしてるとか)を持つ伝説のアクションゲームの主人公が、ボスとして帰ってきたのです。「赤城山ミサイル」だの「重力分銅」だの、何だかさっぱりわけの分からない技とともに。
そしたら、これら意味不明なネーミングの技の由来が、元のゲームで登場する武器という事を知った私は、呆れるやら感心するやらで「デコはデコだなぁ」と自分でもよくわからん感想を心の中で呟くのみでした。
それでも元祖対戦格闘(と、デコは主張している)『対戦空手道』から「牛」を隠しボスとして持ってきた『ダイナマイト』に比べればおとなしいものだと思いますが。

さてこの『溝口危機一髪』、『ダイナマイト』で追加された新技がもれなく収録されてるのみならず、さらに新技が増えてるキャラもいたりして(私が愛用している格ゲー史上初の八極拳士・リーは、「こんなに強くしていいのか?」ってなぐらいに新技が充実している)、ゲームとしては初代『ファイターズヒストリー』より出来がいいと思います。それだけにやはりキャラが減ったのは残念で、レイやサムチャイ、ジャンといった面々も出してほしかったなあと思うのは私だけではないと思います。
…いや、そこで「お前だけだよ」とか的確なツッコミを入れられると立つ瀬がないのでそのへんは見逃して下さい。

「溝口危機一髪!!」勝ち台詞一覧表





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