高まる卓球人気、なぜ? 中学生の部活はサッカー、軟式野球を抜く

田中奏子
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 テレビ番組で「ネクラ」といじられ、以前は暗いイメージもあった卓球だが、最近では人気スポーツに様変わりしているようだ。

 卓球人口で最も多くの割合を占めるのが中学校の部活だ。日本中学校体育連盟の集計では、2021年度の加盟生徒数は男女あわせておよそ23万人。ソフトテニスバスケットボールに次いで3番目だった。14年度に軟式野球を、16年度にサッカーを抜いた。20年、21年度は減少に転じたが、少子化のなかでも12年から19年度までは毎年増加が続いていた。

 背景には、近年の日本人選手の活躍があるようだ。

 1950~70年代の日本勢は世界トップクラスだったが、その後は低迷が続いていた。卓球王国の中川学編集長は、2012年のロンドン五輪が一つの契機とみる。福原愛さん、石川佳純選手、平野早矢香さんの3人が女子団体で銀メダルを獲得し、テレビへの出演も増えた。16年リオデジャネイロ五輪では水谷隼さんが個人で銅メダルを獲得。21年の東京五輪では、伊藤美誠選手と組んだミックスダブルスで日本初の金メダルに輝いた。

 平野美宇張本智和選手ら若い層の活躍も目立つ。中川編集長は「オリンピックでメダルを獲得した影響が大きかった」と話す。

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2022年10月9日12時35分 投稿
    【視点】

     中川編集長のおっしゃる「オリンピックでメダルを獲得した影響が大きかった」は事実でしょう。ただ、そこだけを受け取って「ほら、やっぱり勝たないと競技人口は増えないじゃないか」とは思わないでほしいです。  日本卓球躍進の背景には、代表選手の強

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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2022年10月9日12時33分 投稿
    【視点】

     中学時代に卓球部だった身としては、最近の人気がうれしい半面、とまどいも覚えています。  私が中1になった1984年は、ちょうど校内暴力が都市部から地方へと広がってきた頃でした。通っていた宇都宮市郊外の市立中は、市内でも有数の荒れた学校で

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