グリ下の少女「1日1食で10人前後に売春」 容疑者は出稼ぎと誘う

高井里佳子 小島弘之
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 大阪・ミナミの「グリ下」(グリコ看板下)に出入りする家出少女(当時16)を東北地方に連れ出し、繰り返し売春をさせた疑いで男2人が逮捕された事件で、この少女が「連日10人前後に売春し、1日1食しか食べられないこともあった」と証言していることが、大阪府警への取材でわかった。

 少年課によると、売春防止法違反(管理売春)や営利目的誘拐などの疑いで逮捕されたのは、堺市美原区の無職滝本絵斗(かいと)(25)と、大阪府大東市の会社員新山隼士(しゅんと)(21)の両容疑者。

 2人は共謀して2024年6月15~25日、大阪市中央区のグリ下周辺で出会った家出中の少女を「出稼ぎに行く? 100(万円)なんて余裕」と誘い、東北地方を車で連れ回しながら、複数の男性に対して売春させた疑いがある。府警は認否を明らかにしていない。

「しんどくて帰りたくて仕方なかった」

 事件は同年7月、警察官が少女に職務質問をして発覚した。少女はその後の調べに「1回1万5千円ほどで毎日10人前後の相手をした」などと証言。新山容疑者が運転する車で東北6県や新潟県を移動し、ホテルを転々としながら連日午前10時から午後10時ごろまで、繰り返し売春をさせられていたと明かしたという。

 少女は「1日1食ほどしか食べられず、最後の方はしんどくて帰りたくて仕方なかった」とも話したという。暴力や脅迫は受けていなかったというが、府警は、滝本容疑者らが少女を支配下に置き、短期集中的に稼ぎを得ようとしたとみて調べている。

宿泊や推し活の費用がほしくて

 少女は大阪府外在住で、23年7月ごろからグリ下に出入りし、同11月から家出をしていた。その後は「パパ活」をして生活費を稼いでいたといい、滝本容疑者らの誘いに応じた理由については「毎日の宿泊費や食費、メンズコンセプトカフェの『推し活』費用を稼ぎたかった」と話したという。

 府警は、滝本容疑者が指示役で、新山容疑者を少女に付き添わせながら、約10日間で100人以上の相手をさせていたとみている。客が支払ったのは計150万円以上で、滝本容疑者らはこのうち約90万円を得ていたとされる。残りは少女の取り分で、大阪に戻った際に渡したという。

 府警は、グリ下に出入りする他の複数の少女も同様の売春をさせられていた疑いもあるとみて調べている。

子どもや若者の相談窓口

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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2025年2月14日19時41分 投稿
    【視点】

    ほんとうにひどい、むごい話ですね。 この記事では加害者らが何らかの組織的集団に属していたのかどうかはわかりませんが、まだ20代の若者たちがこのようなことを思いつくというのは、恐ろしいですね。 でも、記事を読むうちに、「少女の相手をしてい

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