死亡の弁護士、預かり金1.1億円が使途不明 「競馬や競輪に」文書

山崎靖
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 新潟県弁護士会は13日、元会員の二宮淳悟弁護士(当時44)が依頼者から預かった約1億1千万円が使途不明になっていると発表した。二宮弁護士は同弁護士会の副会長だった昨年11月に死亡し、預かり金をギャンブルに使ったことをほのめかす文書が死後に見つかったという。

 弁護士会によると、二宮弁護士は2022年12月から昨年11月にかけ、相続や成年後見人などの手続きで預かった約1億1千万円を、本人名義の口座にネットバンキングで送金したり、引き出したりしていた。被害を受けた依頼者は法人2社と個人3人で、不正な送金や引き出しは1回数十万円から100万円以上の単位で200回以上にわたったという。

「ギャンブル依存症だった」

 二宮弁護士の死因は明らかにされなかったが、業務上で使用していたパソコン内に残された文書には「ギャンブル依存症だった」「弁護士のお金を競馬や競輪に使ってしまった」といった記載があったという。同弁護士会は、不正な送金や引き出しは、二宮弁護士が単独で行ったとみている。

 記者会見をした同弁護士会の今井慶貴会長は「弁護士の社会的信頼を大きく損なうもので極めて遺憾。防止策を再検討し、信頼確保に全力で取り組んでいく」と謝罪した。

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