いよいよエルサレムのシンボル、
岩のドームが近付いてきた。
ムスリムが礼拝前に身を清める
沐浴場だ。
木陰にはムスリムのパレスチナ人たちが
集っている。
階段を上り、後ろを振り返る。
間近で見る岩のドーム。
ここもムスリムしか内部に入れない。
7世紀、この丘にイスラム寺院が
建立されて以来、
エルサレムはメッカ、メディナに続く
イスラム教の第3の聖地となった。
岩のドームの内部には
ムハンマドが昇天した聖なる岩や
ムハンマドの足跡があるという。
しかしこの聖なる岩は
ユダヤやキリストにも深く関わっていて
アブラハムが息子イサクを神に捧げた
台でもあり、
ダビデ王が岩の上に契約の箱を納め
ソロモン王はここに第一神殿を
建てたのだ。
最後の審判の日が訪れた時
全ての魂がここに集まるとされる。
現在はイスラム教の管轄下だが、
この神殿の丘はユダヤ教の聖地でもあり
キリスト教の聖地でもある。
この聖なる岩があるからこそ、
ユダヤ教徒らはこのドームを取り除き
ここに第三神殿を建設することを
切望しているのだ。
ドームから東には
オリーブ山が広がる。
この神殿の丘、特に岩のドーム周辺は
何度も行ったり来たりしながら
ゆっくり歩いてみた。
3千年も前から
今自分が立っているまさにこの地に
ユダヤの神殿が建っていた。
なんかゾクゾクを通り越した
過去に経験の無いすごい感覚が
脳と体の中を走り抜けていく…
今でもこの時の興奮は
忘れられない。