「学友会は存在しない」 卒業生35人が会費返還求め学校法人を提訴

小島弘之
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 学校法人平成医療学園(大阪市北区)が運営する専門学校の卒業生35人が14日、存在しない「学友会」の会費を徴収されたとして法人と理事長に計195万円の返還を求め、大阪地裁に提訴した。「不当な利得にあたる」と主張している。

 同法人は東京や横浜、大阪、兵庫などに柔道整復師や鍼灸師の養成校を展開し、原告らは大阪の「平成医療学園専門学校」を卒業した。

 訴状で原告側は、入学後に「学友会費」として1人5万円を徴収されたが、別の運営校にある学友会のような自治組織は同校にないと指摘。内部調査や学友会費を管理する口座の記録などから、25年間の徴収額は約2億2千万円にのぼり、一部は法人運営や理事長が取締役を務める貸金業者に流用されていたことが判明した、と主張した。

 原告の一人で、同窓会長を務める松本尚純さん(48)らは会見を開き、「学生のために使われるべき学友会費が裏金になっていたのではないか。会費の目的や所有者について定めた規則はなく、学園側に問うても明確な回答が得られなかった」と提訴の理由を説明した。

 法人側は朝日新聞の取材に対し、「訴状が届いておらず、コメントすることができない」としている。

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