皆さんは算数と国語のどちらが好きですか?
「算数は答えがスパッと決まるから国語より好き」という意見もよく聞きます。
しかし、実際には割り算の問題でも、答えが数で表せない場合もあります。
頭を柔軟に使って、割り算の問題を考えてみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
9÷3÷0
割り算の問題ですが、悩まずに計算できるでしょうか。
しかし、「あること」を知っていると即答できます。
解説
実はこの問題の答え方は、「計算できない」や「定義できない」が適切になります。
一体どういうことなのか考えてみましょう。
この問題で注目しなければいけないポイントは、「0で割っている」というところにあります。その意味をより深く考えてみます。
例えば、10個のリンゴを5人で割ると、
10÷5=2
と計算でき、1人2個ずつに分けることができます。
同様に、10個のリンゴを2人で割ると、
10÷2=5
という計算から、1人5個ずつ分けることができます。
それぞれ割る数に入っているのは人数です。
では、10÷0で考えてみましょう。
同じようにリンゴの分け方で考える場合、「10個のリンゴを0人で割る」という場面になりますが、そもそも1人もいないので答えようがないですよね。
このようなことから、今回のような「(0以外の数)÷0」の計算式では「定義できない」という答えになります。
(0以外の数)÷0→定義できない
次に「0÷0」を、掛け算を軸に考えます。
掛け算と割り算は、逆の計算として対応しています。
2×3=6
と
6÷2=3
の二つが対応しています。
では0÷0=□に対応する掛け算はというと
0×□=0
となります。
この□に当てはまる数が0÷0の答えになるはずですが、0には何を掛けても0になります。
なので、「無数にある」ということになります。
よって、÷0の答えが一つに決まらないので、存在しない計算となります。
したがって、0で割ることは定義されていません。
以上より、
9÷3÷0
=3÷0
=定義されない
となります。
まとめ
算数・数学において、0の性質は非常に深く、考えるべきことがたくさんあります。
そこもまた算数・数学の興味深いところですね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):うおうお 数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。