古代から近世にかけての、地球と自然現象への理解

古代ギリシャには科学としての天文学、気象学、地質学などの博物学的な学問が芽生えました。エラトステネスは地球の大きさを計算によって求めました。アリストテレスはさまざまな自然現象を観察して、それらを解釈しました。

たとえば、雨は海水が蒸発して天から戻ってきたものであるとすでに考えていました。17世紀頃に至るまで、彼の考えたことは正しいことも間違ったことも、ほとんどすべてが科学の世界に大きな影響を与えてきました。これは驚くべきことです。しかし、そのアリストテレスがなぜか山については考察を残していないようです。

【写真】アリストテレス
科学の世界に大きな影響を与えたありストレス。しかし、山については考察は多くを残していない photo by gettyimages

近代的な科学が発達してきた18世紀頃になってからも、地球に関する考え方は聖書にもとづく、あるいは聖書に記載されている現象と矛盾しない考え方をすることが多かったようです。

なかでも「ノアの洪水」は、科学者に大きな足かせを与えていました。過去の生物の遺骸(いがい)である化石は、ノアの洪水で死んだ生物のものであるとか、天変地異こそが地質学の本質的なプロセスであるという考え方から脱しきれなかったのです。

科学者に大きな足かせを与えた「ノアの洪水」。イタリア・ミラノのサン・マウリツィオ・アル・モナステロ・マッジョーレ教会に残されている16世紀の、アウレリオ・ルイーニによるフレスコ画 photo by gettyimages

しかし 18世紀も後半になり、多少なりとも近代的な地質学が発達すると、その様相も少しづつ変わってきました。続いては、近代地質学が誕生した頃の山に対する考え方をレビューしてみます。

次回は、18世紀に勃発した黎明期の近代地質学を二分した、山体を成す岩石(鉱物)の成因における論争から見ていきます。 

山はどうしてできるのか――ダイナミックな地球科学入門 

地球に強くなる三部作! あたりまえのように「そこにある」山は、いつ、どのようにしてできたのか…… なにげなく踏んでいる大地の見え方を変える1冊。 

【姉妹刊】 海はどうしてできたのか 川はどうしてできるのか 
-AD-

関連記事