どうもどうも、けいです。

 

以前、JR西日本の北陸本線系統で使用されている接近メロディーについて、

原曲の紹介をする記事を書きました

 

接近メロディーの解説はこれきりにするつもりだったのですが、

なんとなくでピアノの接近メロディーについても書いてみたくなりました。

今回はそれについての記事です。

 

ではでは、本日もよろしくお願いします。

 

0.そもそも接近メロディーとは…

以前のブログからのほぼコピペですが一応書いておきます。

 

北陸本線の各駅でよく見られる設備のことです。

列車接近時に駅ごとに違ったメロディーが流れてきます。

 

対象駅にはこのような警報機のいずれか(または両方)が設置されていますが、

今回解説するメロディーはすべて上の白い警報機から流れるメロディーです。

 

今回のメロディーは以前のような「旧音源」「新音源」の区分がなく、

ピアノによる美しいアレンジがされているという点が特徴です

どうも人による演奏を録音して流しているようで、

人間が弾くことでより曲に深みが出ています。

 

北陸本線とは言いましたが、使用例はほとんどがJR七尾線です

七尾線は北陸本線(現在はIRいしかわ鉄道線)の津幡駅から分岐し、

能登半島を北上して石川県七尾市の和倉温泉駅まで至る路線です。

七尾線は警報機こそ北陸本線のものと同じですが、

長いこと電子音ではなく、今回紹介するピアノ曲が使われてきました。

 

これまでのところ、上の白い警報機が設置され、

ピアノアレンジされたメロディーが流れていることが確認されているのは、

以下の各路線になります。

  • JR七尾線
  • JR高山本線
  • JR草津線
  • IRいしかわ鉄道線

 

今回紹介するのは以下の10曲です。

  • 俱利伽羅峠の歌
  • 春が来た
  • 春の小川
  • われは海の子
  • もみじ
  • 線路は続くよどこまでも
  • 華麗なる大円舞曲
  • ハナミズキ
  • (おまけ)

 

1.倶利伽羅峠の歌

まず、ピアノアレンジメロディーがよく使われている七尾線内では

使用実績がない(?)メロディーを2曲紹介します。

 

1曲目は「倶利伽羅峠の歌」です。

本当は入れないつもりだった

(というよりこの記事を書いた当初は本当に書かなかった)のですが、

よく考えたら外す理由がなかったので追加しました。

「倶利伽羅峠の歌」は何かが違うというスタンスだったもんで…

 

原曲は当地倶利伽羅に伝わる歌で、代々受け継いでいるのはなんと小学生です

倶利伽羅駅近くに津幡町立刈安小学校という小学校があるのですが、

ここで「倶利伽羅峠の歌」は古くから児童により歌って受け継がれてきたようです。

 

成立は明治時代後期ですが、題材は源平合戦の一つ「倶利伽羅峠の戦い」です。

1183年に木曾義仲と平維盛がここで争い、義仲が平氏軍を破りました。

歌詞中にも源平合戦の様子が記されています。

歌詞は9番まであり、最終9番は「平家は亡ぶ」から始まります。

 

「倶利伽羅峠の歌」を代々受け継ぐ刈安小学校は

令和5年度で在籍児童が17名しかおらず、

2002年より複式学級を採用するに至っています

 

仮にこの学校が廃校となったとき、いったい誰がこの歌を歌い継ぐのでしょう。

貴重な文化を絶やさないためにも、

刈安小学校には頑張っていただきたいところです。偉いことは言えないが

 

倶利伽羅駅は2014年まで「アニーローリー」旧音源を使用していましたが、

他の駅より音程が低めという特徴がありました。

これ以降は接近メロディーが当曲「倶利伽羅峠の歌」に変更となります。

 

ピアノアレンジされたこの曲はしっとりとした仕上がりになっており、

優しい雰囲気をもたらしてくれます。

前が不気味な電子音だっただけに余計に…

 

鳴動開始が遅い割に1コーラス45秒程度とやや長く、

富山方面行きではフルコーラス流れないようです。

狙うなら金沢方面行きがベストなのかもしれません。

 

使用駅

倶利伽羅

 

2.春が来た

七尾線で採用例がないメロディーその2。

 

この曲は知っていますでしょうか?

高野辰之作詞、岡野貞一作曲の日本の童謡で、

1910年の『尋常小学読本唱歌』で発表されました。

 

北陸本線系統の電子音メロディーにあったような変な歴史なども特にはなく、

「春が来た」ことを明るく朗らかに表現するような曲調になっています。

 

歌詞は以下の通りです。

一、

春が 來た、

春が 來た、

どこに 來た。

 

山に 來た、

里に 來た、

野にも 來た。

 

二、

花が 咲く、

花が 咲く、

どこに 咲く。

 

山に 咲く、

里に 咲く、

野にも 咲く。

 

三、

鳥が 鳴く、

鳥が 鳴く。

どこで 鳴く。

 

山で 鳴く、

里で 鳴く、

野でも 鳴く。

 

小学校の音楽の授業で歌った人もいるかもしれません。

 

これが使われていたのはJR草津線の油日駅で、

2002年頃(そうでなくとも2000年代前半)から使われ続けていたようです。

その油日駅は駅ホームに沿ってが植えられており、

春になると一斉に開花して美しい光景を見せます

 

が、この曲は2020年頃に使用を停止

JR西日本汎用の放送に置き換わってしまいました。何故だ…

 

春の夕暮れ時とこの曲、そして113系の組み合わせは、

聞く人に等しく感動を与えたことでしょう。

それだけに使用停止が惜しまれます…

 

ちなみに2002年の油日駅というと新駅舎が開業した年で、

当時は北陸地区でお馴染み「アニーローリー」旧音源が使われていました

「アニーローリー」旧音源を使っていた駅に

同じく草津線の寺庄駅と奈良線の山城多賀駅がありますが、

どちらも新駅舎竣工と前後して

「アニーローリー」の使用が停止されているようです

 

話を戻して、「春が来た」の使用駅は以下の通りです(カッコ内は現在不使用の駅)。

使用駅※完全に消滅

(油日)

 

3.春の小川

本題の七尾線へ。

JR七尾線は起終点を入れて20駅がありますが、

このうち中津幡、本津幡、能瀬、横山、高松、免田、宝達、敷浪、南羽咋、

千路、徳田の11駅では、2021年7月まで四季でメロディーが切り替わっていました

四季ということは春夏秋冬で4曲あるわけですが、

そのうちの春季に流れていたメロディーです

(なお残る9駅のうち、津幡駅は北陸本線系統の電子音メロディーを、

宇野気、羽咋、金丸、能登部、良川、能登二宮、七尾、和倉温泉の8駅は

それぞれ後述するオリジナルのメロディーを採用しています)。

 

「春の小川」は1912年に発表された文部省唱歌で、

「春が来た」と同じく高野辰之作詞、岡野貞一作曲です。

 

メロディーは現代に至るまで変更されていませんが、

歌詞は3度手が加えられています。

発表当初の歌詞は以下のようなものでした。

 

一、
春の小川は さらさら流る。
岸のすみれや れんげの花に、
にほひめでたく 色うつくしく
咲けよ咲けよと さゝやく如く。
 
二、
春の小川は さらさら流る。
蝦やめだかや 小鮒の群に、
今日も一日 ひなたに出でて
遊べ遊べと さゝやく如く。
 
三、
春の小川は さらさら流る。
歌の上手よ、いとしき子ども、
聲をそろへて 小川の歌を
うたへうたへと さゝやく如く。
※「さらさら」は本来踊り字
 
どちらかというと文語調ですね。
これが1942年には書き換えられることになります。
 
一、
春の小川は さらさら行くよ。
岸のすみれや れんげの花に、
すがたやさしく 色うつくしく
咲いているねと ささやきながら。
 
二、
春の小川は さらさら行くよ。
えびやめだかや 小鮒の群れに、
今日も一日 ひなたで泳ぎ
遊べ遊べと ささやきながら。
 
3番が削除されましたこいつもか
 
1942年というと日本は戦争真っ只中ですが、
戦時教育体制とこの歌詞変更に関係があるかは不明です。
文部省は「小学校3年生の教材としては言葉が分かりづらいだろう。
小学校3年生は文語を知らない。」ということを変更理由としています
(それまで当教材は小学校4年生向けだったのですが、
この年から小学校3年生に引き下げられました)。
 
この歌詞改訂について、現在の上皇陛下は1912年、上皇后陛下は1942年の歌詞を
それぞれ覚えていらっしゃったという逸話が残っています。
お二人が同時に歌われたらさぞかし混沌としたことになるだろう
 
そしてこの5年後、再び歌詞が改訂されました。
 
一、
春の小川は さらさら行くよ。
岸のすみれや れんげの花に、
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら。
 
二、
春の小川は さらさら行くよ。
えびやめだかや 小鮒の群れに、
今日も一日 ひなたで泳ぎ
遊べ遊べと ささやきながら。
 
1番の「咲いているね」が「咲けよ咲けよ」に戻っています
意味が大きく変わってしまうからだろうか?
しかし1947年版の歌詞でも3番は復活しませんでした
 
現在、学校によっては42年版と47年版のいずれか、
もしくはどちらでもない独自の歌詞を教えており、
歌詞がいくつか混在しているようですどうしてこうなった
 
七尾線では2番まで流して終了します。
が、1コーラスが1分50秒程度と長く、フルコーラス流れない駅も存在するようです。
その点2コーラス近く流れる本津幡駅が怖い
もっとも七尾線の接近メロディーが長いのはこれに限ったことではないが…
しかし2021年7月にメロディーが置き換えられ、使用停止となりました。
 
また、JR高山本線の猪谷駅でも同時接近時にはこれが流れますが、
七尾線のように四季で切り替わっていたのか、
そして今でも使われているのかということは不明です。
 

使用駅※完全に消滅か

(中津幡)、(本津幡)、(能瀬)、(横山)、(高松)、(免田)、(宝達)、(敷浪)、(南羽咋)、

(千路)、(徳田)、猪谷

※猪谷駅のみJR高山本線、他はすべてJR七尾線
 猪谷駅のメロディーがどうなったかが不明のため、消滅していない可能性が否定できない
 
 

4.われは海の子

七尾線の四季メロディーのうち、夏季に流れる曲です。

 

原曲は1910年に発表された文部省唱歌で、作詞者や作曲者は不明です。

漁村に育つ少年を描いた歌で、

春が題材の前2曲と比べてゆったりとした曲調が特徴です。

 

歌詞は長いですよ。

 

一、

我は海の子白浪の

さわぐいそべの松原に

煙たなびくとまやこそ

我がなつかしき住家なれ。

 

二、

生まれてしほに浴して

浪を子守の歌と聞き

千里寄せくる海の氣を

吸ひてわらべとなりにけり。

 

三、

高く鼻つくいその香に

不斷の花のかをりあり。

なぎさの松に吹く風を

いみじき樂と我は聞く。

 

四、

丈餘のろかい操りて

行手定めぬ浪まくら

百尋千尋海の底

遊びなれたる庭廣し。

 

 

五、

幾年こゝにきたへたる

鐵より堅きかひなあり。

吹く鹽風に黑みたる

はだは赤銅さながらに。

 

六、

浪にたゞよふ氷山も

來らば來れ恐れんや。

海まき上ぐるたつまきも

起らば起れ驚かじ。

 

七、

いで大船を乘出して

我は拾はん海の富。

いで軍艦に乘組みて

我は護らん海の國。

 

7番まであります。子どもはちゃんと全部覚えられたのだろうか…?

しかし戦後に7番だけ削除されました。その7番の歌詞の意味は以下の通りです。

 

さあ大船を乗り出して、私は海の宝を拾いに行こう。
さあ軍艦に相乗りして、私は海の国を守り抜こう
※ただ解釈しただけなのでメロディーには乗っていません
 
2行目の表現が軍国主義的だとしてGHQに目をつけられ、削除されたのです
1行目は海賊行為を連想するがそれはいいのだろうか…?海賊王におれはなる!
 
さらに1980年、文語調である歌詞が災いし、
子どもには理解しづらくなったとして共通教材からも外されてしまいます
しかしこの曲の人気は高く、1990年に教科書上に復活しました。
 
現在では6番までとしても長いため、3番までしか教えないところが多いようです。
 
七尾線でも3番まで演奏して終わります。
それでも1コーラスは1分40秒と、接近メロディーとしては長い方なのですが…
このメロディーは夏限定で使われてきましたが、
2021年7月のメロディー切り替えではこの曲ではない別の曲が鳴動を開始
以降七尾線内で「われは海の子」は復活していません。
 
個人的には青一色の413系とよく合うメロディーだと思っています。
まぁその組み合わせが見られた期間などたかが知れているのだが…
 
なお、「春の小川」が使われていたJR高山本線猪谷駅ですが、
四季でのメロディー切り替えがあったのか、
現在でも使われているかが不明なので、
これ以降の四季メロディーでは猪谷駅の使用例は考えないものとします
 

使用駅※完全に消滅か

(中津幡)、(本津幡)、(能瀬)、(横山)、(高松)、(免田)、(宝達)、(敷浪)、(南羽咋)、

(千路)、(徳田)

 
 

5.もみじ

七尾線の四季メロディーのうち、秋季に流れる曲です。

 

原曲は1911年発表の文部省唱歌で、

「春が来た」「春の小川」などと同じく高野辰之作詞、岡野貞一作曲です。

作詞の高野氏は信越本線熊ノ平駅(1997年廃止)で見た紅葉に心を打たれ、

この詞を作ったとされています。

 

歌詞も有名ですね。

 

一、

秋の夕日に 照る山紅葉

濃いも薄いも 数ある中に
松をいろどる 楓や蔦は
山のふもとの 裾模様

 

 

二、

の流れに 散り浮く紅葉
波に揺られて 離れて寄って
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦

 

合唱曲として歌われることもあります。

前半8小節はカノン形式(1小節後を追いかける)、

後半8小節は高音部と低音部に分かれた合唱となっていることが特徴です。

 

七尾線では最後まで演奏されますが、

長さは1分45秒ほどとやはり接近メロディーとしては長め。

曲のアレンジはピアノらしく哀しくも力強い曲調に仕上がっており、

曲のクライマックスはピアノが持つ味を存分に発揮して曲が終わります。

このこともあり、鳴動時はもはや一つの演奏会と化しています。

弾けたら格好いいんだろうなぁ…

 

しかし無情にもこの曲も置き換えられてしまい、現在は聴くことができません

勿体ないことを…

 

使用駅※完全に消滅か

(中津幡)、(本津幡)、(能瀬)、(横山)、(高松)、(免田)、(宝達)、(敷浪)、(南羽咋)、

(千路)、(徳田)

 

6.雪

七尾線の四季メロディーのうち、冬季に流れる曲です。

原曲は1911年発表の文部省唱歌で、作詞は武笠三氏、作曲者は不明です。

 

何かと勘違いが多い曲です。

題名を「雪やこんこ」ないし「雪やこんこん」と覚えている方もいるようですが、

後述するようにこれでは別の曲になってしまいます

正しくは「雪」です

 

歌詞も正しく歌えますか?

 

一、

雪やこんこ 霰やこんこ。

降つては降つては ずんずん積る。

山も野原も 綿帽子かぶり、

枯木残らず 花が咲く。

 

二、

雪やこんこ 霰やこんこ。

降つても降つても まだ降りやまぬ。

犬は喜び 庭駈けまはり、

猫は火燵で丸くなる。

 

1番と2番を逆に覚えたり、

1番2節目から2番3節目へ飛んでしまう人がいたりするようです。

確かに2番3~4節目の表現は特に有名なので飛んでしまうのも無理はないが…

 

「こんこ」の語源は「来む(来い=降れ)」とされています。

「こんこ」の解釈は主に「来む来む(現代読み:こんこん)」の省略形か、

来む此(ここに降れ)」かの2通りがあるようです。

現実的には除雪の手間を考えるとここではなくスキー場にだけ降ってほしいが

 

先ほども言った通り、「雪やこんこん」とすると全く別の曲を指します

かの有名な瀧廉太郎作曲の「雪やこんこん」という曲があるからです。

が、この曲の歌い出しは「雪やこんこん あられやこんこん」と、

この曲に酷似しているという有様です紛らわしいったらありゃしない

 

あちらは幼稚園唱歌なのですが、できたのが1901年と「雪」より10年も前。

ということは「雪やこんこん」の方が先なわけです。

現代だったら即パクリ疑惑で裁判沙汰だろう…

 

ちなみに瀧廉太郎は日本でも著名な作曲家です。

これでも分からない方は東京メトロ銀座線の浅草駅へどうぞ。

発車メロディーの「花」は瀧廉太郎の作曲です。

 

七尾線では2番まで演奏された後、1オクターブ下げてもう一度演奏されます。

実質3回の繰り返しになりますが、「雪」には2番までしか歌詞がないので、

これはアウトロと取った方が自然かもしれません。

 

1コーラスが60秒(1分)程度と他の曲に比べて短く、

フルコーラス鳴りやすいのが特徴です

それでも接近メロディーとしては長い方なのだが

 

2021年7月のメロディー置き換えで使用停止となり、

七尾線内で聴ける駅はなくなりました

入れ替わるように設定されたメロディーが…

 

使用駅※完全に消滅か

(中津幡)、(本津幡)、(能瀬)、(横山)、(高松)、(免田)、(宝達)、(敷浪)、(南羽咋)、

(千路)、(徳田)

 

7.線路は続くよどこまでも

2021年7月頃に突如七尾線で鳴動を始めたメロディーです。

ピアノではあるのですが、前5曲のような曲調ではなくジャズ調のアレンジです

 

原曲は日本の文部省唱歌…ではなくアメリカの曲で、

19世紀に黒人による堤防工事の歌として作曲されたのが始まりとされています。

しかし時代の流れとともに鉄道労働者の歌へと変わり、現在は童謡となりました。

 

英語の歌詞は以下の通りです。

 

I've been working on the railroad

All the livelong day

I've been working on the railroad

Just to pass the time away

Don't you hear the whistle blowing

Rise up so early in the morn

Don't you hear the captain shouting

Dinah, blow your horn


Dinah, won't you blow

Dinah, won't you blow

Dinah, won't you blow your ho-o-orn

Dinah, won't you blow

Dinah, won't you blow

Dinah, won't you blow your horn

 

曲中の"Dinah"というのは列車を指す言葉で、

親しみを込めて人名で呼んでいるようです

我々日本のファンもお気に入りの車両には「彼」「彼女」と言うことがありますが、

それと同じ感覚なのでしょう。

 

…和訳します?

 

俺は線路で働いているんだ

一日中な

俺は線路で働いているんだ

時間なんてすぐ過ぎ去っちまう

警笛が鳴っているのが聞こえないか?

こんな朝早くに起きろって言うんだぜ

キャプテンが叫ぶのが聞こえないか?

ダイナ、お前の警笛を鳴らすんだ!

 

ダイナ、鳴らしてくれ

ダイナ、鳴らしてくれ

なあダイナ、鳴らしてくれよ、お前の警笛を

ダイナ、鳴らしてくれ

ダイナ、鳴らしてくれ

なあダイナ、鳴らしてくれよ、お前の警笛を

 

Wikipediaには独自の訳がありますが、無視して筆者が勝手に意訳しました

それでもだいたいWikipediaの訳と同じになっていると思います。

また、日本で知られている歌詞とは全く別のものだということも分かりますね。

 

これが本来の歌詞なのですが、のちに別の曲から持ってきた歌詞を後半に付け足して

一緒に歌うようになりました。

 

Someone's in the kitchen with Dinah

Someone's in the kitchen I kno-o-o-ow

Someone's in the kitchen with Dinah

Strummin' on the old banjo!


Singin' fi, fie, fiddly-i-o

Fi, fie, fiddly-i-o-o-o-o

Fi, fie, fiddly-i-o

Strummin' on the old banjo


Someone's makin' love to Dinah

Someone's making love I know-o-o-o

Someone's making love to Dinah

'Cause I can't hear the old banjo

 

なんでこれ持ってきたんだ

 

和訳です。

 

誰かがダイナとキッチンにいやがる

俺は知ってるんだ、誰かがキッチンにいやがるんだよ

誰かがダイナとキッチンにいやがる

古いバンジョーをかき鳴らしてやがるんだ!

 

歌うんだ、フィ、フィー、フィドリーオって

フィ、フィー、フィドリーオ

フィ、フィー、フィドリーオ

古いバンジョーをかき鳴らしながらな!

 

誰かがダイナと愛し合っていやがる

俺は知ってるんだ、誰かが愛し合っていやがるんだよ

誰かがダイナと愛し合っていやがる

古いバンジョーの音が聞こえないからな!

 

解釈はよく分からないのでやめておきます。

 

日本に知られたのが1960年のことで、

テレビドラマ“Tales of the Texas Rangers”(テキサス決死隊)の主題歌が

この曲の替え歌でした。

1962年にはNHK「みんなのうた」で「線路はつづくよどこまでも」として紹介され、

以降は日本で童謡として定着していくことになります

(日本では「ダイナがキッチンに…」のくだりは丸々カットされています)。

しかし追加部分抜きにしてもあの歌詞をどう解釈したら童謡向けの訳になるのか

 

七尾線では2021年7月に

突如としてそれまでの四季メロディーを置き換える形で登場しますが、

JR高山本線の猪谷駅ではこれ以前より使用されていました

が、例に漏れず1コーラスが約2分という常軌を逸した長さだったために、

猪谷駅では特定の条件を満たさなければまずフルコーラスが流れないという

とんでもないことになっていました。

なのに七尾線では長さ的に違和感がないあたり、やっぱり七尾線はどこかおかしい

 

曲は"I've been working on the railroad..."以下16小節のメロディー+間奏を

3回繰り返して終わります(=1コーラス終了)が、

1周目、2周目、3周目でアレンジが微妙に違います。

また、曲の〆は有名なジャズ曲「A列車で行こう」のメロディーが入っており

非常にお洒落な曲調で仕上がっています。

 

413系や415系が七尾線から消滅した時期と前後する導入だったため、

JR西日本は時代の区切りの意味も込めてメロディーを変えたのかもしれません。

しかし、とある駅では何やら様子がおかしかったようで…?

 

使用駅

中津幡、本津幡、能瀬、横山、高松、免田、宝達、敷浪、南羽咋、

千路、徳田、猪谷

※猪谷駅のみJR高山本線、他11駅はJR七尾線

 

8.華麗なる大円舞曲

2021年7月頃、七尾線は接近メロディーの変更が起きますが、

1駅だけ様子がおかしい駅が存在していました。

これが高松駅(石川県かほく市に所在、香川県高松市とは無関係)で、

2、3番線は「線路は続くよどこまでも」が使われていました。

 

しかし1番線で鳴動したのは全く別の曲

これがフレデリック・ショパンによる『華麗なる大円舞曲 変ホ長調 作品18』、

すなわち「華麗なる大円舞曲」で、

理由は不明ながらこの駅のこのホームだけ使用曲が違いました

 

そもそも「華麗なる大円舞曲」の使用は今回が初めてではありません。

七尾線で四季メロディーが使用開始されたのが2008年春とのことですが、

当初は4曲ではなくこの曲も入れた5曲で回していたようです

しかし翌年から4曲体制に再編され、ひっそりとこの曲は退場となりました。

 

2021年の復活は実に13年ぶりとなることで、

なぜ高松駅1番線のみ「華麗なる大円舞曲」にされたのかは分かりません。

 

原曲は1833年に作曲され、翌1834年に出版されました。

 

ショパン自身は当時のウィーンの音楽事情に不満を持っていたとされています。

当時、ウィーン(現:オーストリア)ではワルツが流行しており、

ヨハン・シュトラウス1世とヨーゼフ・ランナーが

ワルツの代表的な作曲家として君臨していました。

というより、この2人の影響力が大きすぎたため、

他の作曲家は隠れてしまい頭角を現すことができなかった

と言った方がいいでしょう。

 

ショパンはこれ以前にもワルツを作曲してはいたのですが、

どれも実際に踊れる曲かと言われるとそうではありませんでした。

「華麗なる大円舞曲」は明確に実用に堪えるワルツとして作曲したようです。

 

本当は全部弾くともっと長い曲なのですが、

七尾線では冒頭53小節までを2度ループして終わります。

もし全部弾くとなると軽く5分を超えてしまうため致し方ないでしょう。

まぁ短縮後も2分を超える長さになってしまっているが

 

また、原曲は変ホ長調であるのに対して七尾線では長調になっています。

なぜわざわざ変えたのかは不明ですが、

他の四季メロディーもト長調であることに合わせたのでしょうか。

 

しかし、2023年にこのメロディーは

「線路は続くよどこまでも」に置き換えられ消滅

結局何がしたかったのかよく分からないという結果に終わりました。

曲自体はいいから設定ミスでもそのまま残しておいてほしかったんですが…

というかショパンの曲でハズレ曲があるはずがない

 

使用駅※完全に消滅

(高松)

 

9.ハナミズキ

今や七尾線を代表するメロディーとなった1曲です。

 

原曲は一青窈氏の代表曲としても知られるあの「ハナミズキ」です。

作詞は他ならぬ一青窈氏自身で、一青氏が語るところによると、

詞は2001年9月11日の「例の事件」を受けて作られたものとのこと。

当初は物々しい言葉が使われていましたが、

最終的に削って削ってあのような歌詞になりました

(一青氏自身も当初の歌詞からこうなったことが不思議のようです)。

 

ところで、一青窈氏の母は七尾線沿線の石川県中能登町出身でした。

また中能登町内には「一青(ひとと)」や

花見月(はなみづき)」という地名がある縁からも、

七尾線へ「ハナミズキ」の接近メロディーを導入することが決定されます

 

採用駅は七尾線内の主要駅と中能登町に位置する全駅で、

宇野気、羽咋、金丸、能登部、良川、能登二宮、七尾の7駅です。

この駅では従来から使われていた四季メロディーを置き換える形となりました。

 

接近メロディーへの編曲は、作曲者でもあるマシコタツロウ氏が手掛けました。

ピアノによる儚くも可憐な曲調となり、

原曲のあの雰囲気をそのままに導入されることになります。

その美しさを求めて七尾線を訪れる鉄道ファンもおり、

皆「美しい」「泣ける」との感想を口にしています

 

そんなメロディーですが、なにぶん1分程度の長さがあるため、

駅や列車によってはフルコーラス鳴らないことがあります

(宇野気、能登部、羽咋、良川あたりは普通列車なら確実に鳴るようですが)。

特に七尾線内最大の主要駅たる七尾駅では

鳴るか鳴らないかが際どいようなので、訪問の際はご注意ください。

せめて七尾駅は絶対にフル鳴るようにしてほしかった…

 

これを変えられた日にはショックで前後不覚になるかもしれません…

いつまでも使われてほしいですね。

 

使用駅

宇野気、羽咋、金丸、能登部、良川、能登二宮、七尾

 

 

 

さて、これでおおかたピアノアレンジされた

接近メロディーは挙げ終わったのですが、

1駅だけ残すのも勿体ないのでオマケとして書いてしまいます。

ピアノじゃないですけどね。

 

10.和倉音頭

七尾線の終点、和倉温泉駅で使用されている接近メロディーです。

なんと地元の民謡そのままで、おそらくどこかで演奏した録音を流しています。

 

原曲は1934年に成立した「新民謡」の一つです。

小学校や夏祭りなどでも流れていたようですが、近年はそれもなくなり、

文化継承の観点から危機的な状況となっています

それだけに駅の接近メロディーとして流すのは

まさに斬新な継承策ともいえるでしょう。

 

なお、この「和倉音頭」が流れる駅の名前は「和倉温泉(わらおんせん)」で、

周辺地名も「和倉(わら)」なのですが、

録音中ではどうも「和倉(わら)」と歌っているようです

(4番が分かりやすく、「お湯の和倉(わら)でナー」と聞こえてきます)。

 

由来が「湯の湧く入江(=湧く浦)」が由来だとすれば、

「わら」読みの方が近そうですが…

 

この接近メロディーは「曲」を楽しむ鉄道ファンの中では鬼畜と有名です。

なぜならこの和倉音頭、アレンジも何もされずそのまま原曲の演奏を流すため、

1コーラスが2分56秒ととんでもなく長いのです。

普通に録っているとまずフルコーラスを聴くことができません

駅の前後で列車が緊急停止でもしない限りは途中切りになってしまうのです。

 

「特急の入線で長く鳴りやすい」などのテクニックもあるようですが、

それでも流れても4番に入るか入らないかくらいで切れてしまいます。

(その4番が和倉音頭の最後となるため、本当にもうひとこえなのですが)。

和倉音頭の鳴動で「屛風岩」と聞いたことがある方、お待ちしております

 

しかし一つだけ、和倉温泉駅でこの曲をフルコーラスで聴く方法が存在します

それが初冬のラッセル車の試運転

なんと和倉温泉駅の警報機を鳴らすフラグを踏んでから一旦停止するため、

フルコーラス流れるには十分すぎる時間があるのです

 

YouTube上にはその様子を映した動画もあるようなので、

興味がある方はぜひ調べてみてください。

ステマではありません

 

使用駅

和倉温泉

※通常の列車ではまずフルコーラス流れない

 

 

 

 

というわけで、七尾線で主に使われるピアノアレンジ接近メロディーについて

ささっと解説してみました。

使用をやめたメロディーが多いのが残念ですが、

今後どこかで復活することはあるのでしょうか…

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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