再審請求中の死刑執行不当と国を訴えた弁護士敗訴 大阪地裁
再審=裁判のやり直しを求めている死刑囚に死刑が執行されたのは不当だと弁護士が国を訴えた裁判で、大阪地方裁判所は「再審請求によって執行が停止されるとすれば、請求が繰り返されて執行が事実上不可能になる」などとして訴えを退けました。
1988年に2人を殺害したとして強盗殺人などの罪で死刑が確定した旧姓、河村、岡本啓三 元死刑囚は、4回目の再審請求をしていた2018年に死刑が執行されました。
これについて元死刑囚の弁護士3人は、刑の執行により最も重要な証人を失って立証活動が不可能になったなどと主張して、国に損害賠償を求める訴えを起こしました。
裁判で国側は「再審請求に死刑の執行を停止させる法律上の効力はない」などと主張し、争っていました。
14日の判決で、大阪地方裁判所の大森直哉 裁判長は「死刑判決を受け、非常救済手続きである再審請求の審理が終了しない間に刑が執行されたからといって、憲法が保障する裁判を受ける権利が侵害されたとはいえない」と指摘しました。
そのうえで「再審請求によって執行が停止されるとすれば、請求が繰り返されて執行が事実上不可能になり、不合理だ」などとして訴えを退けました。
【原告と弁護団会見「勇気のない判決」】
判決のあと、原告と弁護団が会見を開き、代理人の宇野裕明 弁護士は「こちらの訴えを形式的に退けて、踏み込んだ判断をしなかった勇気のない判決だ」と述べました。
また、判決では「この判決によって再審請求中の執行が違法と評価される場合がありえることまで否定されるものではない」としていて、これについて宇野弁護士は「ほかの事例で執行された時に自分たちのお墨付きだと言われないよう個別の判断だとしていて、非常に逃げている」などと述べ、控訴する意向を明らかにしました。