【第48回】交付規程ではもう逃げられない──はじまりBP訴訟が補助金行政に突きつける“本当の責任”
はじまりビジネスパートナーズ(当社)と中小企業基盤整備機構(中小機構)との間で、
補助金取消処分および返還命令取消訴訟が静かに進行している。
これが単なる一事業者の裁判ではないことに、少しずつ世間も気づき始めている。
なぜなら――この裁判は、中小機構がこれまで築いてきた
「補助金交付規程を盾にすれば何でも押し通せる」という構造そのものに
真っ向から挑むものだからだ。
■交付規程と補助金等適正化法のズレが招く“補助金行政の劣化”
中小機構は、補助金支給にあたり自ら定めた「交付規程」を根拠に、
取消や返還命令を行ってきた。
だが問題は、この交付規程が
補助金等適正化法(正式名称:補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)
との整合性を十分に意識して作られていないことだ。
本来、補助金等適正化法には次のような厳格な規定が存在する:
【第21条の2】補助金不交付・取消時の理由提示義務
【第25条】不服申立て(行政不服審査・訴訟)の案内義務
【第17条】交付決定取消しの要件と手続
しかし、交付規程にはこれらが反映されていない。
そのため中小機構は、自ら作った交付規程だけを根拠に、
申請者を門前払いし、取消し、返還命令を出してきたのである。
■「補助金交付候補者」というグレー地位のトリック
さらに悪質なのは、
補助金交付候補者なる中間的地位を創設した点だ。
公募申請に通っただけでは補助金交付が保証されない
「補助金交付候補者」として審査し直し、減額・取消・辞退を誘導する
これは、
【交付申請=補助金支給を求める権利行使】
を阻害するものであり、
法的には「補助金等適正化法違反の疑い」が極めて強い。
■中小機構が今も頼る“交付規程万能説”の限界
中小機構は今なお裁判で、
「交付規程に則っているから問題ない」と反論する方針を採っている。
だがここには決定的な矛盾がある。
なぜなら――
補助金適正化法という国会制定法>交付規程という内部規則
であり、
補助金適正化法に適合していない交付規程は、
どれほど「規程だから」と言い張っても、法的な正当化にはならない。
つまり、
交付規程だけで戦うということは、
法律違反を前提にした泥沼戦を意味するのだ。
■この裁判は全事業者の“うさ”を晴らす
これまで、どれだけ多くの中小企業が、
「不採択理由も知らされず」
「一方的に取り消され」
「返還命令を受け」
泣き寝入りしてきたか。
私たち、はじまりビジネスパートナーズの裁判は、
単なる自己救済を超え、
すべての理不尽な補助金運用にNOを突きつける訴訟となる。
そしてもし、この裁判で補助金適正化法の理念に照らして
中小機構の運用が違法と認定されれば――
交付規程に基づく不利益処分は無効とされる可能性
透明な審査と説明義務の徹底
不採択や取消しに対する事業者の救済手段の確立
こうした補助金行政全体の抜本的な改革へとつながるだろう。
■交付規程だけで押し切れる時代は、終わる
補助金は、
単なる行政サービスではない。
国家予算による「国民への給付」であり、
だからこそ、厳格なルールと説明責任が求められる。
交付規程に隠れてごまかしてきた補助金行政は、
今、裁判所という公正な場で
ひとつひとつ洗い出され、問われようとしている。
この裁判は、
小さな会社のたたかいであり、
未来の補助金行政のためのたたかいでもある。


コメント