第201話 ただいまお悩み中
「……んー」
配信のネタを考える。クリスマス企画……ではない。もう間近に迫った3Dお披露目配信……でもない。ネタに困っているのは今日の配信である。
困っている理由はシンプルで、いま挙げたようにデカイ企画が迫っているからだ。このタイミングであまり派手なことはできない。インパクトで企画を喰いかねない。
なので料理系は微妙。やっても良いが細やかな内容が望ましい。ゲーム実況とかは、そもそもソフトを用意してないので論外。マイナータイトルは規約とかを調べなきゃだ。逆に有名どころはすぐできるけど……単発ネタに向いてないんだよな。特に俺がプレイできるようなジャンルは。ストーリー要素が強いの多いし。
じゃあ雑談配信はってなるのだが、これも正直なー。話すネタがない。いや、話して良いようなネタがあんまりない。迫る企画についてはネタバレになるのでNG。直近で起きたことに関しては、テレビ局とのアレコレや、天目先輩との入籍とかになるのでNG。
いや、雑談なんだから好きに話せば良いだろと言われたらそれまでなのだが。まあ、配信のメインに据えるほどのネタがないって思ってくれれば良い。
「んー……」
正直、ここまで悩むんなら無理に配信しないってのも選択肢ではあるのだが……。昔はともかく、いまその選択肢を取りにくい。
同棲っぽいことしてるからね、いま。それぞれの家を好きに行き来できるようになった結果、それに合わせて配信のタイミングを調整するようになったからさ。
ザックリではあるが、『この時間は部屋に来ても大丈夫です』、『この時間は部屋に来ないでください』と取り決めているため、あんまりそれを逸脱するのもなって思ってしまうわけ。
いや、その都度話し合って調整すれば良いだけだし、二人も言えば全然対応してくれるのは分かってるんだけど。単純に俺が面倒くさい。
相手の都合でスケジュールを変更するのは気にしないが、自分の事情……それもくだらない理由でスケジュールを調整を申し出るのは好きじゃないのだ。
なので今日配信する。今日以降になると、お披露目配信までスケジュールが空いてないのだ。二人が部屋に来る可能性があったり、打ち合わせとかなんやらで忙しかったりで。
お披露目配信の告知とかもしておきたいので、配信するのは絶対。どうにかネタを捻り出して、3Dお披露目配信への流れを作りたいところ。
「とはいえ、どうすっかねぇ……」
まあ、無難なのはやっぱり料理配信かなぁ。この先の企画と被る部分はあるが、そこはメニューを美味い具合にズラせば……ギリ? ギリか?
んー……いっか。地味めなメニューに、軽めの雑談を合わせれば、うん。いけるいける。ながら作業ならある程度話題も固定されるし、変な内容にはならんだろ。空気読めない質問とかは無視すれば良いし。
「となると、問題はメニューか……」
あんまり派手な感じじゃないやつ。なんかあったかな? できれば地味なだけじゃなく、手軽なのが良いな。複雑な工程がないやつ。調理時間が短いとなお良し。
とりあえず、軽くネットで調べる。……が、あんまりピンとくるものがない。パッと見た感じではあるが、どうにもしっくりこない。
「肉じゃが……カレー……野菜炒め……回鍋肉……麻婆豆腐……」
ぬぬぬ……。駄目だなぁ。ザッと見たが惹かれない。どの料理も気分が乗らない。フィーリングってのは大事だ。これに引っかからないと、調理中のトークに支障が出る。全体的に惰性寄りになってよろしくない。
あと、よく考えたらアレだ。この手のお手軽料理って、市販されてる『素』とかを使うの前提だわ。普通に作ったら全然時短じゃねぇわ。作れなくはないけど、手軽ではない。手軽なのは野菜炒めぐらいだろ。
なのでやっぱり没だな。市販の『素』は流石にね? いや、アレらを使った料理も普通に美味いとは思うんだけど、ダンジョン食材には……うん。ちょっと釣り合わないかなって。
チューブのニンニクとか、生姜とかさ。料理の味付けにチョロっと使うのは良いと思うんだよ。あと、コンソメのキューブとか、中華系のペースト調味料とかね?
あー、インスタントラーメンとかに、トッピングとしてダンジョン食材を突っ込むのもアリ。なんか予想できない楽しさがあるし。
でも、市販の素はアレじゃん? 根幹となる味は想像できるじゃん。だから配信のネタとしては弱いかなって。やっぱりダンジョン食材使うキモって、味の想像ができないところにあるし。
「……なんか参考になるもんねぇかな?」
やっぱり駄目だな。スマホで調べてもピンとこねぇし、ちょっと方向性変えるか。キッチンをザックリ見て、作れそうなやつを探そう。
イメージとしては、冷蔵庫の余り物調理みたいな。それで好きな食材をダンジョンのものと入れ替えるとか? ……でも、それはそれで面倒くさいなぁ。
「んー……」
やっぱりなんかモチベが低い。なんでだろうね? 体調不良? スランプ? ……いや、そういうのとは無縁の人間だしな俺。シンプルに気分じゃねぇだけか。
とりあえず、キッチンをガサゴソ。『いっそのこと、前みたいにコネッコに餌やる配信にすっかなぁ……』と思いつつ、適当に棚やら冷蔵庫を漁っていく。
「……あ」
──そして発見。黄色と赤の包みを見て、コレで良いやと思ってしまった。
ーーー
あとがき
コミカライズ一巻、書籍版の一巻、二巻をよろしくお願いいたします。
それはそうと! お知らせがあります!!
なんと!!!
この三月に!!!!
お知らせがあります!!!!!
以上、告知の告知でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます