「キャー」
深夜のコンビニで悲鳴が聞こえる
客として来店していた僕は急いで事務所に入り扉を押さえつける助けをする
店長が電話を急いでかけている
今にも強盗はお金を奪って逃げそうだ
(盗犯防止法)ふと思い出したその法律
「店長さんなにかはさみとか刃物ありますか?」
段ボールを開封するためか、大き目のカッターナイフも、先のとがった業務用のはさみもバックエンドにはあった。
それを握りしめて僕は店内に踊り出た。
犯人は小さめのナイフ1つだ
「なんだおまえ!」
怒号をあげる犯人だが
「いや君を殺そうと思ってね」
武道の心得がある私がずっと思っていたのは、人を正当防衛とは言え、傷つければ罪に問われるんだという事、凶悪犯に対しても加減をせねばならない不条理な世の中だと、何十年も思ってきていたが、盗犯防止法を知ってからの私は、いつかこのような場面に出くわすことを心待ちにしていた気すらする。
「これが見えねえのか!下がれ!」
「君こそこれが見えないのか?」
大き目のカッターナイフとたちばさみを手にした私は続けてこういう
「君は私を殺せば殺人の罪迄きる事になるが、私の方では君を殺してしまっても無罪だ、ずっと待っていたんだこういう機会を、命がけの勝負だ、やろう」
半身に身構える、いざとなったら急所以外で刃物を受け、返す手で急所を確実に狙う型
なんども学生時代練習した事をいまやっと活かせるのだ思うと、胸が高鳴りすらしている。
ポケットに入れていた缶詰を、犯人の頭部めがけて手加減なしに全力で投げ込む
犯人はかろうじてよけたが、店の入り口のガラスは大きな音を立てて割れる
当たれば痛いでは済まない勢いだ。
もう一つの缶詰を右手に持った瞬間
犯人は一目散に逃げだした。
さすがに逃げる者を追いかけてまで傷つけれは罪に問われるに違いない、私は少し落胆すらした面持ちでその場に立ち尽くす。
警察がやっと到着した、犯人はいないがすぐ捕まるだろう。
っていう楽しそうな妄想をする深夜。