定期購読しているモデルレイルローダーの最新号が船便で届きました。2018年4月号です。最近のMRはずいぶん薄くなっちゃったなあ、紙質のせいかなあ、と思ってページ数を確認したら、199111月号の218ページに対して、最新号はわずか82ページ。定価は倍以上になってますから、おお、えらくコスパが悪くなっています。中身をみると、大きな違いとして、広告ページが随分少なくなっています。1991年はまだネットがありませんから、宣伝広告費は雑誌が独り占めだったのでしょうねえ。
ちなみに、小生の手元にある一番古いMR誌は、193912月号です。日本は太平洋戦争に向かっていく、暗い時代ですね。この号、今より2回り小さいサイズで、60ページ。もちろんカラーページはありません。編集長にはカルムバックさんの名が、スタッフ・フォトグラファーとして後の名編集長、リン・ウエスコットさんの名があります。このときのウエスコットさんはまだ26歳です。
 
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小生、90年代の頭にアメリカで暮らしたのですが、あちらの鉄道模型ファンは夏場はキャンプだのフィッシングだのバーベキューだのに忙しく(部屋にこもって模型を作ってると離婚されるのだと思います)、寒くなると模型趣味に帰ってくるようで、とりわけ冬が長くて厳しい東海岸では、晩秋から冬にかけて各地でトレインショーとかトレインミートが開催されます。大都市ではなくて、むしろ田舎町の体育館に、地元の模型クラブが組立式のレイアウトを持ち込んで、行商の業者さんが店を出して、地元のおじいちゃんが自宅の物置きから持ち出してきたガラクタを売る、という感じの牧歌的なものが多いです。先ほどの199111月号のイベントスケジュール欄をみると、おお、小生が訪問戦略を練った跡があります。
 
(MR1991年11月号、スケジュール欄より)
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こういったトレインショーには、貴兄が期待するようなブラスモデルの掘り出し物、なんていうのは、まず出てきませんが、改造の元ネタになる、古いプラスティックの機関車を探すには最適の場でした。あと、古雑誌もお買い得で、長く物置きにあったようなカビくさいMRが1冊1ドルとか、50セントで売られていて、小生、せっせと仕入れたものです。冒頭の193712月号もその中の1冊。あの頃は「なんでこんな役にも立たない古雑誌を段ボール箱いっぱい買うの?」(大声で読んでいただくとリアリティが出ます)という完璧な正論を主張する嫁と、雑誌の持つ歴史的・文化的価値を無理筋で主張する小生の間に、激しい言い争いが絶えませんでした。
で、そうやって集めた数百冊のMRやクラフトマンを、隅から隅までちゃんと読んだか、というとそうではなくて、定年退職したらチマチマと読んで、ひとつ米国鉄道模型史でも仕上げてやろう、と思いつつ日々のサラリーマン生活に励んでいたら、2010年頃だと思うのですが、MRが何と、1号から75年分を収録したDVD-ROMを発売してしまいました。さらに直近では、雑誌の定期購読料に月3ドルか4ドルを足すと、ネットで過去のMRが全部読めるようになってしまったのです。長くアメリカに行ってないので、これがアメリカ出版業界のスタンダードなのか、それともMRがもの凄く先進的なのか、よくわからないのですが、ううう、一生懸命集めた小生のカビくさいMRは何だったのでしょう。あまりの悔しさに、まだネット購読の申し込みを躊躇しているこの頃です。
 
さて、60年代、70年代のMR名物といえば(クラフトマンもですが)、先日も書いたように、裏表紙のPFMの広告です。カッコいいこと限りないです。これもMRのサイトでみれちゃうはずですが、リアル雑誌からのスキャンを2つご紹介しましょう。
 
(MR1966年8月号 裏表紙)
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(MR1966年11月号 裏表紙)
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ここに出ているロコは、もともと真鍮地の金色なのですが、写真映りをよくするために、ニッケルメッキが施されて銀色です。小生、白黒写真を撮り比べたわけではないのですが、金色より銀色のほうがキリッとコントラストが出るのですかねえ。もっとも、今だったら、フォトショップをちょこちょこっといじるだけで、同じ効果が出せるのかもしれませんが。
で、当然ながらこの写真撮影用のロコは1台だけで、しかも広告は製品発売前に準備する必要があるため、撮影には本生産より前の、パイロットモデルが使われていました。つまり、この世には、PFMの広告の登場した、第1号にして銀色の機関車が何台か存在することになります。ブラウンブック第3版によると、このロコは1966年製造のシカゴ&ノースウエスタンのE2bパシフィック、生産数量は堂々の「1」、注釈にSilver plated for display and advertisingとあります。小売価格、現在価値はともに「空欄」です。
で、同胞の皆さん、乾杯しましょう。この機関車は現在なんと、日本のコレクターの方がお持ちなのです。氏の熱意と、小生の嫁とは比べものにならないくらい理解のある優しい奥様が、この機関車を米国から日本に里帰りさせてくれました。氏のコレクションにはびしっと1本の太い背骨が通っていて、嬉しいことに、氏は集めた模型を夜更けに一人でニヤニヤ眺めるのではなく、ブログで広く公開して下さっています。さらにこのサイト、めっぽう詳しい玄人はだしのお仲間(小生は含みません)がコメントを加えるので、内容が進化・充実しているのです。ブラスファンにとっては、ネットの時代ならではの、ちょっとわくわくさせられるサイトです。
 
 
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