「メンズエステ美人局」被害にあった男性も“法的責任”問われる? リスク回避のための自衛策とは【弁護士が解説】
利用者が法的責任を問われるパターンとは
ただ、ここで気になるのは、“利用客が法的責任を負うリスク”だ。 今野容疑者らの件に限らず、美人局を持ちかけた側の逮捕事例は報告されているものの、利用客の違法性は表向きになっていない。利用客からすれば、はめられた形とはいえ契約に違反し、または、刑罰法規に触れるなど、なんらかの法的責任を問われることはないのかーー。 性犯罪など、刑事弁護を多く担当する本庄卓磨弁護士は「利用者側が法的な責任を問われる可能性は高くないが、リスクはある」として、次のように解説する。 「まず、女性から同意を得ていない状態で性交等を行った場合、不同意性交等罪(刑法177条)に該当する恐れがあります。 次に、セラピストが未成年だった場合には、各都道府県の青少年保護育成条例(各都道府県により名称が異なる)に違反するとして、法的責任を負う可能性があります。 また、施術後にセラピスト本人から『客から性交等を強要された』などと主張され、トラブルに発展するリスクもあるでしょう」
職場や家族に利用がバレる可能性は?
では、メンズエステで美人局のトラブルに遭ってしまった場合、どう対応すればいいのか。 利用者からすれば法的リスクを避けたいのと同様、メンズエステに通っていたことが家族や職場に漏れるのも避けたいはずだ。美人局がのさばるのも、こうした利用客の後ろめたさにつけ込み、泣き寝入りしやすい状況に追い込んでいるからだろう。 「刑事事件に発展しなければ、職場や家族には知られない可能性が高いです。また利用者が被害者だと判断されれば、周囲に漏れないよう警察が配慮してくれることもあります。 万が一、美人局の被害に遭い、不当な違約金を請求されたり、店舗側から脅迫されるなどトラブルになった場合、自ら事を収めようとするのではなく、直ちに警察に通報しましょう」(本庄弁護士) メンズエステの美人局で経営者らが逮捕された事例では、風俗営業の許可を取得していたにもかかわらず、通常のメンズエステと見せかけたうえで、利用客を恐喝していたケースもある。 利用者が店舗の運営体系を判断できないことにつけ込み、その場で不安をあおる形で、現金をだまし取った悪例だ。 本庄弁護士は、こうしたメンズエステにまつわるトラブルを未然に防ぐための自衛策について、以下のように助言する。 「事前に、ネット上で被害を訴える口コミがないか確認しておきましょう。 また、契約書にサインする際には、事前に十分に内容を確認し、違反しないように心がける必要があります。 あるいは、組織ぐるみで美人局などの違法行為を仕掛けてくる店舗もあるので、そもそも利用しないというのも考え方のひとつです」 メンズエステでは、利用者は“足元”を見られやすい。しかし、これ以上被害を広げないためにも、怪しいと感じたり、トラブルに巻き込まれたりした場合は、自身の体面や後ろめたさを気にせず警察へ通報することが重要だ。 ■ 佐藤 隼秀 1995年生まれ。大学卒業後、競馬関係の編集部に勤め、その後フリーランスに。ウェブメディアを中心に、人物ルポや経済系の記事を多く執筆。趣味は競馬、飲み歩き、読書。
佐藤隼秀