熊本市 中学生の金銭詐取いじめ “精神的に支配”報告書提出

熊本市立の中学校に当時通っていた生徒が、同級生から金銭をだまし取られたいじめをめぐり、調査を行っていた第三者委員会は市教育委員会に対し、「加害生徒が長い期間をかけてマインドコントロールし、支配していたことが推認される」とする報告書を提出しました。

去年、熊本市教育委員会は、市立の中学校に通っていた当時3年生の女子生徒2人が、同級生からおよそ18万円をだまし取られたとして、法律に基づくいじめの「重大事態」にあたると認定し、去年5月から専門家などでつくる第三者委員会がその経緯について調査を進めてきました。

13日は、第三者委員会の報告書が教育委員会に提出され、それなどによりますと、生徒への聞き取りなどの結果、金銭をだまし取った女子生徒はSNSで100人以上の架空の人物になりすまし、複数回にわたって金銭を要求していたということです。

また、聞き取りの中で、新たな女子生徒1人が加害者側の生徒とのやり取りで精神的苦痛を受けていたことが明らかになったということです。

そのうえで「加害生徒が長い期間をかけてマインドコントロールし、支配していたことが推認される」と結論づけました。

一方、学校が事態の発覚後に被害生徒に対し、スクールカウンセラーへの相談を受けさせる機会がなかったなどとして、「被害生徒に寄り添った対応が求められる」などと提言しました。

市教育委員会の遠藤洋路教育長は「学校、教育委員会として、どのような対応が取れたのか、適切だったか、よく検討し、再発防止に生かしたい」と述べました。

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