◆「ぱよぱよちーん」発言でレイシスト認定

 当時、反差別界隈はネトウヨ以外からもその攻撃性からすでに叩かれる存在にはなっていたが、さすがに個人情報晒しはやり過ぎだろうということであざらしに対して批判が殺到。だが、あざらしはレイシストに対してはそれくらいしなくてはいけない、といった主張をし、自身の行為の正当性をアピールした。

 実際にリストを作ったのは別人だったものの、その後の公開などに積極的に関与したのがあざらしであることから、あざらしの個人情報暴き運動がネット上で開始したのである。いわゆる「ブーメラン」というヤツで、やられたらやり返す、ということだ。そんな時、突如として現れたのが元タレント・千葉麗子だ。彼女のツイートをきっかけに、あざらしがセキュリティソフト関連の会社に勤務する男性・Kであることが明らかになり、さらには千葉とKのツーショット写真も過去の千葉のツイートから発掘された。後に千葉は『さよならパヨク』という書でKと愛人関係にあったと明かしている。出会ったきっかけは、反原発運動である。そして「ぱよぱよちーん」についてだが、2013年末から2014年1月初旬にかけてのKから千葉へのツイートがまとめられた。そこにはこんな言葉が並ぶ。ハートマークや絵文字付きの実にファンシーなツイートの数々である。

〈レイちんぱよぱよちーん 今日は後ほどにゃん〉
〈レイちん、あけおめ、ぱよぱよちーん 今年も力を合わせてがんばろ〉
〈レイちんぱよぱよちーん 大晦日デートで前髪切ってあげようかにゃ〉
〈普段はハードコアなのですが、レイちんにはデレデレになってしまうものでww〉

「レイちん」が千葉麗子のことで、ぱよぱよちーんは「おはよう」の意味である。レイシストに対する激しい言葉での罵倒を繰り返す、当時50代中盤のKのこれらの発言にネットの一部では大笑いが起きていた。Kの口ひげを蓄えたダンディな顔写真もすでに公開され、セキュリティ専門家としてのスーツをビシッと着用してインタビューに答えるサイトのURLも発掘された。そんな人物が一人の女性に対しては「ぱよぱよちーん」である。ツイッターのトレンドワードにも「ぱよぱよちーん」が入り、ネトウヨも含め、この数日、この言葉は2ちゃんねる、ツイッターで濫用される言葉となったのである。そして、同時に身バレしたKをおちょくるためにも使われた。

 結果的にKが勤務する企業(外資)の日本法人社長のツイッターにも「セキュリティを守る会社の人間が個人情報晒しをしていかがなものか」といった問い合わせが寄せられ、電凸も相次いだのだろう。Kは会社を去ることとなる。ここで反応したのがろくでなし子である。彼女はこうツイートした。

〈ぱよぱよちーん♪って、すごく腹が立ったり深刻な状況の時とかにつぶやくと、ど~でもよくなれそうで、なんかいいナ。ぱよぱよちーん♪♪♪〉
〈ぱよちん音頭で  ぱよぱよち~ん♪ぱよちん音頭で ぱよぱよち~ん〉

 すると、反差別界隈から一斉に批判が寄せられたのである。最初は敬語で諫めるものが多かったが、後に罵倒になっていく。以下は初期の頃の穏やかな「諫め」である。だが、「ぱよぱよちーん」という言葉を使うとネトウヨ、というのは論理的飛躍があり過ぎる。差別の闘士・K氏を揶揄しているからネトウヨ、といった理屈だろうが、そもそも「ぱよぱよちーん」は語感が面白すぎる。だからろくでなし子は使ったのだ。

〈ろくでなし子さんがネトウヨに乗っかるんですか?〉
〈これはないでしょう。ネトウヨとコラボするつもりですか〉
〈ほお、ネトウヨ側に立つと〉
〈マジでショックです〉
〈まだ削除して謝れば間に合うと思いますよ。ろくでなし子さん自身たくさんのデマや曲解に晒されてきたと俺は認識してますが、その揶揄の相手が今まさにそうだということに思い当たらないのですか?〉

 最後のコメントなどワケが分からない。なぜ「ぱよぱよちーん」と書いたら謝らなくてはいけないのだろうか。本稿冒頭(前編の記事)で紹介した「奇妙な果実」の発信者であるBuddyLeeも「ハイ。ゴミ確定」とツイートした。そして、ろくでなし子をレイシスト認定する流れが来た。また、「裁判で支援したのに…」といった意見も来た。この流れが意味するものは、差別の闘士である正義漢であるK(あざらし)をネトウヨと一緒におちょくるとは貴様もレイシストだ! という決めつけである。だが、ろくでなし子自身は基本的には超個人主義で、自分がやりたいことだけをやる人物である。だから「表現の自由の闘士」として勝手に祭り上げられたといった感覚は持っていたし、困惑もしていたようだ。

Sponsored
あなたにオススメ

トピックス

“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
あなたにオススメ