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ウェルネスとーく

医療・健康・介護のコラム

[南果歩さん](上)読み聞かせの活動は息子との思い出が原点…コロナ禍に目覚めた「原稿用紙」

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人は物語を求めている

――息子さんから、感想を聞きましたか。

 どうなんだろう。ちゃんと聞いていないです。今度聞いてみますね。まぁ、一人で読んでいましたよ。今度は大人になった息子に読んであげようかな。どんな反応をするのか楽しみですね。

――息子さんに読み聞かせをしていると、何回同じ本を読んでも、いつも同じところで同じ反応をされたと。

 同じところで毎回笑って、おんなじところではしゃぐ。毎回、新鮮な反応がありました。子どもの心の真新しさに気づかされるというか、「次こうなるよね」と思って入っていないんですよね、物語に。初めて知ったかのように、初めて見たかのような反応なんですよ、毎日。

 私のうちの場合は、毎晩ね、子どもに3冊選んでもらっていたんです。すると1、2か月間は同じものを選んでくる。要望に応えて読んでいました。

――絵本は、どのような存在だと思っていますか。

 「3.11」の1か月後に避難所を22か所巡った際、大勢の方とお話しさせていただいたのですが、皆さんから「ドラマに出てね」って言われたんです。多くの方が、「ニュースを毎日見ているけれども、本当は見たくないの。ドラマが見たい」とおっしゃったんです。

 その時は舞台の稽古前の時期だったのですが、初めて自分の仕事に対する意欲がうせてしまっていたんです。「今、東北ではこんな大変なことが起こっているのに、私の仕事は世の中の何の役にも立っていない。今、舞台をやって何になるんだろう」って。

 被災された方から生の声を聞かせてもらい、「ちゃんと人の心とつながる仕事をやっていたんだ」と初めて気づきました。あの未曽有の災害から、人はつらい状況にいる時ほど物語を求めるんだということを教えていただきました。

 絵本は、子どもたちが最初に出会う物語じゃないですか。すごく大事だなと思います。もし、今いる環境にそぐわなかったり、ちょっとつらい思いをしていたりしていても、何かを想像することによって気持ちが前向きになることがあるじゃないですか。想像力を持って生きていくことは、すごく大事だなと思っています。

【写真2枚】読み聞かせ活動をする南果歩さん

南果歩さん

みなみ・かほ 1964年生まれ、兵庫県出身。84年、映画「伽倻子のために」のヒロイン役でデビュー。近年の出演作は【配信】「PACHINKO」(AppleTV+)【映画】「MISS OSAKA」「義足のボクサー」【ドラマ】「犬神家の一族」「麒麟がくる」(NHK)【舞台】「夏の夜の夢」「パンドラの鐘」「あの出来事」「オイディプスREXXX」「パーマ屋スミレ」ほか。著作にエッセー「乙女オバさん」(小学館)、絵本「一生ぶんのだっこ」(講談社)など。6月30日~7月9日、舞台「これだけはわかってる~Things I know to be true~」(東京芸術劇場シアターウエスト)に出演。

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