筋肉弁護士が“論破”できなかった立花孝志氏の「取り扱い方」を、選挙ウォッチャーちだい氏が解説

たしかに桜井弁護士は立花氏を追いきれず、攻めあぐねているような印象だったので、立花氏の支持者たちは、

《さすが立花さん、完勝だ》

と歓喜していたが、冷静に見ると立花氏が勝って桜井弁護士が負けたわけではない。

拡散したデマについて、証拠を示せと言われて、それができず、論理をすり替えて逃げた立花氏が論争に勝ったとは言えないのだが、支持者から見ると「逃げるも勝ち」ということなのだろう。

また、この対談を“エンタメ”という視点から見たら、盛り上がりに欠け、つまらないと感じた視聴者も多かった。

立花氏との裁判でも勝ち続け、長きにわたって氏を追及し続けている選挙ウォッチャーちだい氏は、立花氏と桜井弁護士の対談終了後に『尊師・立花孝志を論破する戦略でミスった筋肉弁護士』というタイトルの動画を上げて、立花氏の『取り扱い説明』をしている。

実生活にも実害が及ぶ卑劣な行為

ちだい氏に改めて話を聞いた。

「弁護士をするくらいに頭が良くて、しゃべれる、弁が立つ人が論破を挑みたくなるのはわかります。そういう人が立花孝志に挑めば、当然、論破できるものだと思うかもしれませんが、できません。そもそも彼には“論破”という概念が存在しないんですから。論破というのは、論理的にしっかり組んで“あなた、これこれ、こういうことで間違ってます”と相手に言って、相手が間違いを認めた場合です。それが論破ですが、絶対に間違いを認めない人間には論破という概念がありません。

例えば、亡くなった岩井清隆さんは立花氏の言動を遺書にも記していたので、“あなた(立花氏)が原因ですよね”というふうな質問をしたときに、通常であれば、確かに遺書にも書いてあるし、実際にお亡くなりになったのも事実ですから“確かにそうかもしれない”となるのが普通の人ですけども、絶対にそうはならないです。“そんなこと言っても他の理由がある”みたいなことを言うのが立花氏です。そして“死ぬのが悪い、勝手に死んだ”というようなことを言ってくるのです」

亡くなった兵庫県の元県民局長や竹内英明元県議に関して、立花氏が拡散した情報はデタラメだったことが確認されているが、立花氏は決して“自分が間違っていた”と認めず、当然反省することもない。間違っているにもかかわらず、常に“自分が正しい”と主張する人間と論争することが所詮無駄だということなのだ。

さて、その立花氏だが、4月24日の衆院総務委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員が、インターネット上での誹謗中傷、人権侵害と暴力により、被害者や家族の命と生活が脅かされているとして、警察や政府に早急の対策を求めた。

4月9日に亡くなった政党ボランティアの男性の自宅住所を晒したり、奥谷謙一兵庫県議・百条委員会委員長の自宅前で演説や脅迫を行い、都知事選では、『みんなでつくる党』大津綾香党首の住所や間取り、性的な内容を盛り込んだ虚偽のアニメーションを公開するなど執拗(しつよう)な嫌がらせを行ってきた立花氏を

「このさらし行為はネット上で完結せず、実生活にも実害が及ぶ卑劣な行為だ」

と断罪した。

また、答弁に立った村上誠一郎総務相は

「深刻な課題であり違法有害情報の対策をしていく」

と述べた。

大津氏は、’24年9月に刑事告訴し受理されている。全国紙社会部記者によれば、

「受理した以上、間違いなく警察は捜査を始めます」

といい、在阪テレビ局の記者は、

「奥谷県議の件と公職選挙法違反についても警察は動き始めています」

という。

支持者が「さすが立花孝志!」と喜んでいられるのもいつまでかーー。

  • 取材・文佐々木 博之(芸能ジャーナリスト)
  • PHOTOPasya/アフロ

佐々木 博之

芸能ジャーナリスト

宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

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