元タレントの中居正広氏(52)とフジテレビを巡る一連の問題は、元国民的グループのリーダーが芸能界を引退し、巨大メディアが信用失墜する事態に発展した。芸能史に刻まれる騒動の当事者である中居氏やフジ、性暴力を受けた元フジアナのAさんらについて徹底取材した緊急連載「中居正広氏・フジテレビ問題の深層」を開始。第1回はA子さんを通して見た一連の問題の舞台裏だ。
【フジテレビ中居騒動の深層①】フジの第三者委員会は3月31日、調査報告書を公表した。中居氏のAさんへの行為を「性暴力」と認定し、対応が後手に回ったフジを「経営の体(てい)をなしていない」と批判。394ページに及んだリポートは中居氏やフジの暗部を浮き彫りにした。
中居氏の女性トラブル情報は昨年10月上旬から拡散した。キーワードは「中居くん」「Aさん(実名)」「B氏(フジ幹部社員の実名)」「9000万円」「示談」。中居氏がAさんとの間でトラブルを起こして9000万円で示談し、B氏がそれに関与していたとの内容だった。この金額については当のAさんが今年1月、週刊ポストの取材で否定している。
昨年10月上旬には別の情報も拡散していた。Aさんが人気芸能人Zと交際しているとの内容だった。取材を進めてAさんとZの双方に同月下旬、事実確認したところ、Aさんからは回答を得られず、Zの所属事務所は交際を否定し、友人だと主張した。フジ社員の話。
「ウチ(フジ)の女性アナは華やかなイメージがあると思うけど、Aさんはそれと逆でした。芸能人とも積極的に交流していたわけではない。芸能界ではZさんら限られた人としか付き合いがありませんでした。だからこそ、大物タレントだった中居氏と社外で会っていたのは驚きで、その付き合いは深入りしたくなかったのにトラブルに発展して、相当なダメージがあったと思います」
Aさんは中居氏から性暴力を受けた後、入院。病床からインスタグラムに性暴力の事実は伏せた上で自身の状態を投稿するようになった。
調査報告書によれば、フジ側は、インスタの投稿によってAさんがネットユーザーから誹謗中傷されることを懸念し、上司にあたるF氏がAさんにこれを伝えた。すると、Aさんは泣きながら「私から社会とのつながりを奪うのか」と反論。F氏はAさんの病院側に相談し、主治医から投稿はAさんにはプラスになるとの見解を得られたため、フジ側もAさんの投稿を制限しなかった。
ただ、フジ関係者らはAさんの投稿をつぶさに注視していた。
Aさんは雨が降った昨年秋、インスタのストーリーズに悲痛な意味深メッセージを投稿している。その中には「誰」を強調するような文面があった。
Aさんと中居氏のトラブルが発生した2023年6月2日の天気は雨。また、中居氏は昨年10月にフジ系「だれかtoなかい」(日曜午後9時)でMCを務めていた。
「メッセージの『誰』と番組名の『だれ』が重なり、話題になりました。Aさんは大きなショックを受け、それを解消できなかったのではと心配されたんです」(前出社員)
Aさんはフジを退社して個人で活動しているが、フジ社員たちは陰ながら応援している。














