上記のように、日本軍が捕らえた連合軍捕虜の死者のうち、連合軍が捕虜輸送船を撃沈したことよる死者がかなりの割合で含まれている。しかしそれも、捕虜の輸送を事前に米軍に通知しなかった、輸送船に捕虜が乗船していることを示す標識を設置しなかった日本に非がある、という主張をときどき目にする。
しかし、第二次大戦中、捕虜を輸送する船舶の航路や日程について、敵対国に事前の通知をすることを交戦国に義務付ける国際条約は存在しなかった。捕虜輸送船に識別標識の設置を義務付ける国際条約も存在しなかった。
そして、米軍が日本軍捕虜の輸送するときに、日本に事前通知を行い、輸送船に標識を設置していた、というような話も聞いたことがない。