新たなローマ教皇を決める選挙(コンクラーベ)で選出された米国出身のプレボスト枢機卿(新教皇レオ14世)が、投票総数133票のうち105票を獲得したことが11日、分かった。バチカン情報筋が秘密投票の内幕を共同通信に明らかにした。プレボスト氏は2回目の投票以降、首位を維持し、最終的に圧倒的な支持を得たという。

コンクラーベは4月に前教皇フランシスコが死去したことを受け、バチカンのシスティーナ礼拝堂で今月7~8日に行われた。前教皇の側近だったイタリア出身のパロリン枢機卿や、保守派のハンガリー出身のエルドー枢機卿らが有力候補とされていたが、2日目の4回目の投票でプレボスト氏が米国出身者として初の教皇に選ばれた。

情報筋によると、1回目の投票では1位がエルドー氏、2位がパロリン氏、3位がプレボスト氏だったが、それぞれ25票~30票ほどで大差はなかった。しかし2日目の2回目以降はプレボスト氏に票が流れて同氏がトップに躍進。投票を重ねるごとに2位のパロリン氏との差が広がり、4回目で選出に必要な3分の2以上の支持を得た。

バチカンの国務長官(首相に相当)を務めてきたパロリン氏は、イタリアメディアで最も有力視されていた。ただ、中国との関係改善に力を入れ、中国寄り過ぎるとの見方も強かった。

前教皇と関係の近いイタリア出身のズッピ枢機卿や、フィリピン出身のタグレ枢機卿、ガーナ出身のタークソン枢機卿らも有力候補として名前が挙がっていたが、情報筋によるとほとんど票が入らなかったという。

2日間の選挙では計4回の投票のほかに計算上のミスで「無効」となり、開票されなかったケースも1回あった。(共同)

◆コンクラーベ ローマ教皇を選ぶ選挙。語源はラテン語で「鍵をかけて」。13世紀に教皇が3年間も選出されない異常事態となり、鍵をかけた部屋に枢機卿らを閉じ込めて決めさせたことが由来とされる。選挙権を持つ80歳未満の枢機卿による秘密投票で、投票総数の3分の2以上の票を得る者が出るまで続く。選出されなければ礼拝堂の煙突から黒煙、選出されれば白煙を出して告知する。今月7~8日には133人の枢機卿が投票に参加し、第267代教皇に米国出身のプレボスト枢機卿(新教皇レオ14世)を選出した。(共同)