“バブルが弾けてすべてパア”になってもおかしくない

少しテクニカルな話をすると、株式の売りどきは「下がりきらず、上がりきらないタイミング」です。下がっているときは損切りの判断、上がっているときはあまり欲をかかず、深追いしない利益確定の判断が必要ということです。

しかし、未来のことは誰にもわかりません。実際、株式の売り買いのタイミングは投資の専門家でも判断が難しいところです。企業の動向や経済の動向を、ある程度の確度で見極めた上で判断せねばなりません。

私は投資の専門家ではありませんが、経済の専門家ではあります。それでも後でお話しするように、かつて大きく判断を誤り、多額の資金を失うという手痛い経験をしました。それが投資の素人ともなれば、言わずもがなでしょう。運任せでうまくいくことはあるかもしれませんが、狙ったタイミングで狙った利益を得るなんて的確な判断は、できなくて当然なのです。

かくして価格が下がっているときも上がっているときも売る判断を下せず、ずっと持ち続けることになってしまう。そうしているうちに、やがてバブルが弾け、すべてパアになってしまってもおかしくないというわけです。そんなリスクを抱え込むことを考えたら、誰だって「投資はやめておこう」と考え、より堅実な貯蓄を選びたくなるのではないでしょうか。それでいいのです。

貯蓄として残したほうがいい

ちなみに私は、2020年前後から少しずつ投資用の株式の処分を進め、ドル建て投資信託以外は、2023年にすべての処分を完了しました。さらに2023年末にがん宣告を受けてからは、残してあったドル建て投資信託も処分してしまいました。

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それぞれに理由があります。2020年前後の株式処分は、現在のバブルは近々に崩壊すると予想していたからです。また、残してあったドル建て投資信託の処分は、私が死んだあとに遺族に迷惑をかけないためです。

実は故人の株式や投資信託には、まず、死亡日の相場で計算した評価額に相続税がかかります。その上、相続した株式の売却益にも課税されるため、事実上の二重課税になってしまうのです。しかも、相続人が株式を売却するのは容易ではありません。

金融資産というと「家族など大切な人への遺産」というイメージもあるでしょう。しかし実際には、相続税に売却益への課税、さらには手続き上の面倒と、現実的には相続人に二重三重の迷惑をかけることになってしまいます。ならば貯蓄として残したほうが、ずっと手続きはシンプルであり、なおかつ税額も抑えられるというわけです。

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