約80年前、太平洋戦争末期に軍部の指示で殺処分され、絵本にもなっている旧水前寺動物園(熊本市)の象のエリーの生前の映像が残されていたことが分かりました。5月5日の熊日新聞で紹介してもらいましたが、見つかったいきさつをちょっと書いておこうと思います。
にわかのブログで書くのも変ですが、実は無縁な話でもないのです。高森のにわかの調査の一環で県内のにわかを調べていた数年前、天草の本渡歴史民俗資料館に戦前のにわか映像が残されていると知って取り寄せました。その中で一瞬ですが、にわかの姿を確認できました。
話はそこで終わりだったのですが、昨年暮れ改めて映像を確認していると、家族で象を見物する姿があることに気づきました。戦前の映像で、どうやらそこは水前寺動物園らしい。そここ象がいるということは、もしかして、あの有名な悲劇の象・エリー??? それから、にわかのことはさておき、エリーの探索に乗り出しました。
熊本市動物園にもエリーの映像はないという話でした。エリーならば唯一の映像かもしれません。そこで、エリーの飼育員だった方の息子で、エリーの死に際を目にして語り継いでこられた金沢敏男さんを探し、映像を見てもらいました。するとひと目見て「エリーに間違いない。エリーの映像を見るのは初めて。生きたエリーを見ることができてうれしい」と涙ながらに語ってくれました。なんだか、あっけないくらいのビンゴでした!
早速、そのことを古巣の熊日新聞に伝えて記事に仕上がるのを待っていました。ところがその間に、エリーの生き証人でもある金沢さんが亡くなってしまいました。記事が載る紙面を見てもらえたらさぞ喜んでくれただろうにと思うと残念です。ただ、せめて生きたエリーの映像を見てもらえたことは良かったなと思っています。
実はこの映像は天草の住民が戦前、9.5ミリという家庭用フィルムで撮影・保存していたものです。それを元にNHK熊本放送局が昭和60年ごろに番組にし、元フィルムをVHS映像に変換して住民に返却し、それが資料館に寄贈されました。資料館はそれを元に戦前の天草の姿をDVDにまとめて公開してきました。戦前の映像というだけでも貴重なものです。
しかし、エリーの姿はDVD映像からは漏れて、原盤(私が取り寄せたもの)の中に埋もれていました。このためその後エリーの映像の存在は忘れられ、熊本市動物園もそうした映像があることを知りませんでした。それが今回、偶然日の目を見ることになったんですね。
熊本市動植物園にはエリーの骨格標本や写真資料が展示され、子どもたちの平和教育の一環として活用されています。金沢さんも生前、エリーの資料を寄贈されたそうです。そこに、エリーの映像も加わるんですね。未来を託すこどもたちー。映像になって蘇ったエリーは、きっと多くの大切なことをこどもたちに語りかけてくれるのではないかと期待しています。







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