戦時殺処分、熊本動物園のゾウ「エリー」の映像残る 天草市の本渡歴史民俗資料館 平和学習に活用へ【くまもと戦後80年】
熊本市動植物園(熊本市東区)の前身である熊本動物園で、太平洋戦争中に軍の命令によって殺処分された雌のゾウ「エリー」の映像が、天草市の本渡歴史民俗資料館に残されている。熊本市動植物園は今後、映像の提供を受けて、平和学習の教材として活用する考えだ。
熊本日日新聞や前身の九州新聞の記事によると、エリーは1938年、5歳でサーカス団から動物園に移った。戦争後期になると、園では空襲による動物の脱走を警戒し、猛獣を次々と殺処分した。エリーも45年、苦痛が長引かないよう電気ショックという方法で感電死させられた。骨格の一部は、市動植物園の「いきもの学習センター」で展示している。
生前のエリーの姿は、熊本動物園の様子を映したモノクロ映像に約30秒映っている。天草在住の故・田中義彦さんが39年ごろ家族で動物園を訪れた際に撮影したとみられ、田中さんの長男がエリーを眺める様子などが収められている。親族の田中紀久惠さん(84)=天草市=が確認した。
昨年12月、本渡歴史民俗資料館から借りた映像を見てエリーに気付いた元熊日記者の松尾正一さん(69)=熊本市東区=が、飼育員の息子の故・金澤敏雄さんに見せると「エリーが殺されて以来、初めて映像を見た。自分はエリーと一緒に育ったようなもので、また会えてうれしい」と話していたという。
熊本市動植物園は2029年の開園100年に向け、動植物園に関する過去の映像や写真を整理する計画。松本充史園長は「平和の大切さを子どもたちに伝えていく上で、戦争で犠牲になったエリーの映像は貴重だ」と話している。(石井颯悟)
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