※日経エンタテインメント! 2025年6月号の記事を再構成

大規模会場でのライブ、ファンダムによる強大なセールスパワー、様々な形でのメディア露出など、ダンス&ボーカルグループは、近年のエンタテインメント界で大きな話題を提供し続けてきた。2025年に入るとオーディションやSNSなどを武器に新顔も次々と台頭、その売り出し方やトップのぶれにも新たな変化が見られる。そんなグループ“新時代”の最新勢力図とブレイク戦略を探った。

2025年1月リリースのベスト盤が160万枚超え、4月には初の国立競技場ライブも開催したSnow Man(写真/中村嘉昭)
2025年1月リリースのベスト盤が160万枚超え、4月には初の国立競技場ライブも開催したSnow Man(写真/中村嘉昭)

 スタジアムやドーム会場での大規模ライブに万単位の観客を動員し、テレビの音楽番組では一糸乱れぬパフォーマンスで視聴者の目を引く――近年、その活動への注目度が高まり続けるダンス&ボーカルグループだが、データで見ても存在感は増している。

 Billboard Japanが総合ソングチャート「JAPAN Hot100」や総合アルバムチャート「HotAlbum」などのデータを基に、アーティストごとのパワーを算出した「Artist 100」を見ると、TOP100に入ったダンス&ボーカルグループの数は、ここ数年増加傾向だ。下のグラフの通り、2022年の29組から、25年1~3月は37組まで伸びている。

「Artist100」に入ったダンス&ボーカルグループの数は2022年の29組から、24年は39組へと増えている
「Artist100」に入ったダンス&ボーカルグループの数は2022年の29組から、24年は39組へと増えている

 25年の第1四半期の集計で、最もアーティストパワーの高かったグループはSnow Man(下表参照)。1月に発売した初のベストアルバム『THE BEST 2020-2025』が、160万枚超えのビッグヒットとなったことなどが寄与したと見られる。4月には初めて国立競技場での2daysライブも開催するなど、動員力でもトップクラスの存在だ。

 そして、ランキング内には、急激に知名度と人気を上げてきた新顔の存在も目立つ。4位と5位には、アソビシステムが手掛ける「KAWAII LAB.」のFRUITS ZIPPERCUTIE STREETが並んでランクイン。『わたしの一番かわいいところ』など、TikTokを基点としたヒットを連発し、ガールズグループの一大勢力として急浮上した。

2024年12月30日~25年3月30日のデータを基に、「Artist100」を算出。そこからダンス&ボーカルグループを抽出した。「総合順位」は他ジャンルのアーティストも含めた順位。赤字は24年に100位圏外だったグループ。【B】はボーイズグループ、【G】はガールズグループ、*は旧グループ名義の楽曲で算出
2024年12月30日~25年3月30日のデータを基に、「Artist100」を算出。そこからダンス&ボーカルグループを抽出した。「総合順位」は他ジャンルのアーティストも含めた順位。赤字は24年に100位圏外だったグループ。【B】はボーイズグループ、【G】はガールズグループ、*は旧グループ名義の楽曲で算出

 一方、Sexy Zoneからの改名と新メンバー加入で、大きくファンを拡大したのがtimelesz(タイムレス)。オーディションの模様を追いかけたNetflix『timelesz project-AUDITION-』が放送中から大きな話題に。2月に新メンバーを加えた8人体制でのデジタルシングルとアルバムが上位に入った。

 同様に、ちゃんみなとBMSGによるオーディション「No No Girls」を経て1月に誕生したばかりのHANAも、すでにTOP100入りを果たしている。

 こうしてボーイズ、ガールズともに激しい競り合いが続くなか、各プロダクションは新たなオーディション、グループの体制変更、海外進出の本格化など、次の一手を繰り出している。ヒットチャートやライブ動員データなどから見た成長著しいグループはどこか、次を狙う新顔たちはどんなブレイク戦略を描くのか。グループアーティスト周辺の最新動向を、日経エンタテインメント! 6月号「特集・ボーイズ&ガールズグループ新時代」では解説する。

特集は「ボーイズ&ガールズグループ新時代」
日経エンタテインメント!6月号は発売中!
 メイン特集「ボーイズ&ガールズグループ新時代」では、近年注目度が高まり続けるボーイズ&ガールズグループの最新動向を解説する。セールスやライブ動員などのデータから、現在勢いのあるグループはどこなのかを分析。さらに、SNS、海外進出、オーディションなどを使った、新たなブレイク戦略についても探っていく。ジュニアが新体制になったSTARTO ENTERTAINMENT、TikTokからヒットを連発するKAWAII LAB.、初のワールドツアーを開催したJO1など、話題のプロダクションやグループへの考察も掲載している。

 表紙インタビューには2月に結成し、早くも全20公演のアリーナツアーを開催中のACEesが登場。これがグループ初の表紙となる。また、大ヒット中のアプリゲーム『学園アイドルマスター』から登場した3人組ユニットRe;IRIS(リイリス)の雑誌初インタビューなども掲載する。

●発売日:2025年5月2日
●発行:日経BP
●定価:890円(税込)

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