政綱 純(まさつな まこと)
姫路生まれ姫路育ち。宅地建物取引士、FP技能士2級。
最近、不動産の広告を見るためにYouTube Premiumに加入せず
毎回熱心に流れる広告を見ていると言うと友達から変人扱いされました。
不動産一括査定の落とし穴に要注意!?姫路で失敗しない不動産売却
※本記事は近年行き過ぎた不動産広告を背景に執筆しております。
一括査定サービスの認知のための記述のため、サービスの否定のために書いたものではありません。
不動産の売却を考えると一括査定サービスの利用を検討される方が多いかと思います。
一括査定サービスは、複数の不動産会社に一括して物件の価格の査定が依頼できる仕組みとなっていて
非常に便利なサービスなのですが、近年は行き過ぎた査定サイトも現れデメリットが大きくなってきてます。
この記事を読んでる場合、既に問い合わせ済みかもしれませんが
改めて仕組みをよく理解して不動産売却の参考になれば幸いです。
不動産一括査定サービスの仕組み
ご存じの方も多いかと思いますが
不動産一括査定サイトは売りたい方と不動産会社をマッチングする仕組みとなってます。
売却に成功した時に仲介手数料等の費用が発生するので
売りたいお客様側からは、査定自体は無料で行えるようになってます。
一括査定サイトは様々な広告を用いて売りたい方を集めます。
そして問い合わせのあった売りたい方を加盟している不動産会社を紹介するという仕組みです。
査定サイトの多くは、1市町村あたり5社~10社の不動産会社と加盟契約を結びます。
その中からランダムに選ばれた不動産会社もしくはお客様側で選択した不動産会社に問い合わせできるようになってます。
なので仕組みを知らずに問い合わせを行うと10社近くの不動産会社から電話がかかってきたりします。
一括査定サイトは売りたい方を紹介した後、不動産会社に紹介料を請求します。
査定サイトのサービスによって異なりますが、相場としては10,000円から30,000円前後になってます。
そのため査定サイトは多くの売りたい方からの査定依頼があればより多くの利益が出ます。
また、不動産会社側は問い合わせが来た段階で課金され数万円の費用負担が発生しているため
その費用の回収のために売却の依頼(媒介契約)を結んでもらうために必死に電話やメールをしてくる構造になってます。
不動産一括査定サービスの集客方法
一括査定サイトの集客方法の大多数はネット広告となってます。
日常的なGoogleなどの検索、YouTubeやLINE、インスタに表示される奴ですね。
現在は検索履歴などを分析して興味関心のあるものを自動で表示させたりするものがあるので
不動産について何度か調べると不動産売却の広告ばかり表示されるようになります。
興味・関心のある広告が出るのは良いこともありますが
ここ何年かの広告は、不動産バブルで高価格で売却できました!
数年前に買った自宅が購入価格より高く売れました!
といった非常に悪質な不動産広告ものが増えていて注意が必要です。
姫路市内の相場としては、姫路駅周辺の土地・マンションや区画整理した地域や駅近くなどは上昇したところもありますが
不動産バブルと言えるほど上昇した地域は少なく、大半は横ばいか下落してます。
今回記事の執筆に辺り数十種類の広告を収集しましたが
姫路市と書いてあるのにグラフや地図は実際のものとは合わないデタラメしかありませんでした。
非常に悪質なものは姫路で高価格売却続出中と表示した地図はと金額は、関東のものでした。
ハッキリ言って今の査定サイトへの広告の仕方はかなり悪質です。
悪質な集客を用いる査定サイトは使わないようにしましょう。
一括査定サービスのメリット・デメリット
不動産一括査定サイトのメリット
1,時間をかけずに簡単に複数の不動産会社に依頼できる
通常不動産の査定を依頼しようとするとまず、不動産会社を探して電話して物件の情報を伝えてといくつか段階を踏み時間を要します。相続した不動産を売却したいが、遠方かつ馴染みのある不動産会社はないし、どこに任せれば良いんだろうと悩まれる方が多く居ます。不動産一括査定を使えば数分情報を入力するだけで不動産売買を取り扱っている複数の不動産会社に依頼することができます。
2,成功報酬のため、費用がかからない。
不動産売却査定は査定サイトの運営会社が不動産会社に課金する仕組みのため、査定依頼者にお金は一切かかりません。
査定後、売却できた際に仲介手数料等を支払う成果報酬制となってます。
3,不動産会社競争して高価格査定になりやすい。
不動産一括査定は同時に複数の不動産会社が査定を行うため、不動産会社同士で競争が生まれます。
他社より高い価格を提示しなければ物件を預かることが出来ないので
相場より高い査定額を提示される確率が高い傾向があります。
不動産一括査定サイトのデメリット
1,複数の不動産会社からしつこく電話がかかってくる。
不動産一括査定は、一度に複数の不動産会社に売却したい物件の情報と連絡先が送られるため、同時に何社も連絡が来ます。
問い合わせが来た時点で不動産会社には費用請求が発生しているため、必死にしつこく電話をかけてくるケースも多いでしょう。
2,登録されている不動産会社は一部
不動産会社は日本全国で12万社以上ありますが、不動産一括査定サイトに登録されている不動産会社はごく一部です。
また、広告費用をかけなくても依頼があるような地域に根付いた老舗の不動産会社は登録していないケースが多く存在します。査定サイトには厳選された不動産会社と記載があったりしますが、実態は、営業電話で加盟した不動産会社でお金を払えば立ち上げたばかりの不動産会社でも契約できる仕組みとなってます。
3,査定額=売却できる価格ではない。
不動産一括査定を利用して多くの方が失敗してしまうのは提示された査定額が一番高いところに依頼してしまうことです。
高い価格を提示してきたから売却に強い会社という印象を持つのは大変危険です。
不動産一括査定は、不動産の売却の依頼を受けるために査定での提示価格は相場より高いものになるケースが大半を占めます。
しかし、不動産の価格は需要と供給で決まるのでネットが普及した現在で相場より高く売れるということはあまり多くありません。
そして価格を提示するために参照する資料や手法は、どの不動産会社も同じであとは担当する営業の経験や顧客の数の違いです。
本来であれば何社依頼しても査定額はほぼ横並びになるはずです。
他社の査定額より高いときは価格の根拠を確認が必要です。
社会問題になりうる不動産一括査定
不動産一括査定の広告は、ここ数年で高く売れるように誤認できるようなものが増えてます。
高く売れると思ってる問い合わせでも不動産会社は課金されてしまうため、売却の依頼を受けるために相場からかけ離れた価格を提示するケースが増加し、売却できない価格での募集が増えて需要と供給が合ってない誤った相場が形成されていく可能性があります。
実際、姫路市でも1つの物件が一般媒介契約という複数の不動産会社に売却を依頼できる契約で5社も6社も相場からかけ離れた価格で出ているようなケースが増加してきました。
競争になるから複数依頼できる契約じゃないと損すると査定サイトは複数の会社との契約を推奨し、他社との競争に自信がない不動産会社は一般にした方が良いと売却活動に加わるために一般媒介契約を押してきます。
そして売却できずに半年、一年と経過してまた査定サイトへ問い合わせてほかの不動産会社に依頼をする悪循環が生まれます。
今後AIが発達してくると動画によるリアルな広告は増加する可能性があり、早期に不動産広告規制をしていかなければ既に行き過ぎた不動産一括査定広告がより悪質になっていくでしょう。
まとめ 失敗しない不動産売却のコツは自分でも相場を知ること
以上不動産一括査定サイトの仕組みと集客方法、メリット・デメリット、悪質な広告が及ぼす悪影響についてでした。
不動産一括査定サイトは非常に便利ですが、知らずに問い合わせを行い依頼することで失敗される方が多くいらっしゃいます。
不動産売却は、査定価格よりも依頼者の状況に合わせた提案や売却に向けた手法を聞くことが大切です。
依頼する際は、相場を事前に理解して依頼を検討する不動産会社の情報をよく調べたうえで価格の根拠と販売活動をよく確認するようにしましょう。
松尾商会の不動産売却
不動産の売却は、人生で何度も経験するものではありません。売却したいけど、どうしたら良いのかわからないとご不安のお客様に向けて不動産売却の方法など、わかりやすくまとめております。ご相談頂いた際は、今のご状況に合わせてどのような不動産売却を行うべきか、それとも売却を延期するべきか、将来のため残して活用するべきかといったお客様の立場に寄り添ったご提案を致します。
仲介売却
『時間はかかっても良いから出来るだけ高く売りたい』という方は、仲介売却をおすすめ致します。
不動産買取
『売却価格が下がってでもすぐに不動産を売却して現金化したい』という方は、不動産買取をおすすめ致します。
賃貸・売却同時募集
『賃貸でも売却でも構わない』という方は、賃貸・売却の同時募集も対応致します。
任意売却
『生活状況の変化でローンの支払いが厳しい』『既に滞納してしまっている』という方は、市場に近い価格で売却できる任意売却という方法もあります。