学食の特大ライス、苦悩の100円値上げ 名門の大学アメフト部員が悲鳴「これ以上の値上げは…」
コメ価格の高騰が、安価で知られる京都府と滋賀県をはじめ大学の食堂を直撃している。立命館大生協では、3月に2度の値上げを実施し、「特大ライス」は219円から319円に。学生からは「これ以上値上げすると厳しい」と懸念の声が上がっており、生協は独自の支援策で学びの場の「食」を守ろうとしている。 【写真】学食で値上がりした「大」ライスを受け取る学生 同大学生協によると、物流費や光熱費の高騰に対応するため、3月3日にライスを「ミニ」から「特大」まで量に応じて3〜40円、丼やカレーは20〜60円値上げした。しかし、その後コメの価格が想定を上回ったため、さらに同31日、ライスを10〜60円、丼・カレーは10〜30円を引き上げた。大学生協事業連合(東京都)によると、同様の値上げは食堂運営をしている京滋を含む全国約170校の大学で行ったという。 4月9日、新学期で多くの学生でにぎわう草津市の立命館大びわこ・くさつキャンパス内の食堂「ユニオンカフェテリア」で食事していたアメフト部に所属する2年天野伸梧さん(19)は「ミールシステム(食堂の年間利用定期券)が値上がりした。今は親に支払ってもらっているので大丈夫だが、これ以上値上がりすると厳しい」と話す。 同大学生協の説明では、コメの仕入れ価格が昨年と比べて約2倍に高騰。当初は年間必要量の確保も危ぶまれたが、全国の大学生協事業連合による共同調達で今月に入り確保の見通しが立ったという。 厳しい情勢の中、生協は父母教育後援会の支援で、学生が100円でごはんとみそ汁、おかず2品を食べられる「100円朝食」を継続。朝食利用者は昨年より2割増加し、1年分の食事をまとめて支払うと割引があるミールシステムの加入者も増えているという。 同大学生協の担当者は「値上げは最小限に抑えたが、企業努力だけでは対応できなくなっている。大学と協力しながら、この苦難を乗り越えていきたい」と力を込める。