長崎県はドクターヘリの運航を再び一時休止すると発表しました。
先月6日に長崎県壱岐沖で発生し、医師と患者ら3人が死亡した民間の医療搬送用ヘリ事故では、国の運輸安全員会が機体後部にある「コントロール・ロッド」前方部分が破断していたと発表しています。
「コントロール・ロッド」は機体を左右に制御する上で重要な部品で、国交省は同型機の所有者に対し、点検を指示。同型である長崎県のドクターヘリも運航を休止して点検を行い、今月5日に運航を再開していました。
さらに国土交通省は9日、設計当局である欧州航空安全庁(EASA)が出した「耐空性改善命令」を受け、改めて「コントロール・ロッド」などの取付部の検査を指示。
検査は特殊な溶液である蛍光浸透剤を使い、目視では発見が難しいひび割れなどを確認するもので、県は「外注する必要があり、一定の日数を要する」として再びドクターヘリの運航休止を決めました。
今回は、操縦に影響が出る部位3か所の接合部についても検査指示があっているということです。
県医療政策課によりますと、今のところ再開の日程は見通せないということで、休止期間中は長崎県の防災ヘリや佐賀県のドクターヘリと連携して、救急医療に対応するとしています。
長崎県のドクターヘリは事故直後から点検を行い、今月2日に再開。さらに国交省からの点検指示を受けて今月5日に再開したばかりでした。休止するのは今回で3回目です。