福岡

水俣病熊本訴訟の口頭弁論 「和解協議拒否なら第3、第4陣原告の来年判決を」原告側が要望

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古川 剛光

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熊本地裁

 水俣病被害者救済法に基づく救済策の対象外になったのは不当として、被害者団体「水俣病不知火患者会」の会員が国などに損害賠償を求めた集団訴訟の第55回口頭弁論が9日、熊本地裁(野々垣隆樹裁判長)であった。原告側と被告側の国、県、原因企業チッソの代理人が意見陳述した。

 熊本地裁には2013~22年に第1~14陣が提訴し9日現在の原告は1355人。昨年3月の第1、2陣の判決は原告144人のうち25人を水俣病と認定する一方、賠償を求めることができる20年の「除斥期間」が過ぎたと判断し、原告全員の請求を棄却した。

 今回は第3陣以降の原告を対象とした4回目の審理。手足のしびれ、こむら返りなどの症状に長年苦しんでいるという第3陣原告の上天草市姫戸町の女性(83)が「命あるうちに救済してほしい」と訴えた。

 原告側は、被告側に早期救済へ向け和解協議を始めるよう要求。被告側が和解協議に応じない場合、第3、4陣の原告について審理を分離して来年結審し、判決を言い渡すよう求めた。

 国と県側は、原告らの他疾患の可能性や除斥期間の適用を主張。チッソ側は「和解協議に応じる意思はない」と主張した。 (古川剛光)

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