【モスクワ=三塚聖平】中国の習近平国家主席は9日、モスクワでミャンマー軍事政権トップのミンアウンフライン国軍総司令官と会談した。ミャンマーで2021年にクーデターが起きて以降、習氏と総司令官が会談するのは初めてとみられる。両首脳はこの日、モスクワで開催されたロシアの対ドイツ戦勝80年の記念式典に出席した。
中国国営新華社通信によると、習氏は会談で「ミャンマーが自国の国情に合致した発展の道を歩み、主権と独立を守ることを支持する」と述べた上で、両国が「戦略的協力を深めるべきだ」と呼び掛けた。
中国側によると、総司令官は「両国の経済、貿易、エネルギーなどの分野で協力を推進することに力を尽くす」と述べ、中国との経済協力に期待を示した。3月に発生したミャンマーの大地震で中国がいち早く援助を提供したと指摘し、「ミャンマー人民は永遠に深く心に刻んで忘れない」と評価した。
ミャンマーではクーデターで実権を握った国軍と、民主派や少数民族武装勢力などによる内戦が続いている。国軍は、欧米などから制裁を受けて国際的に孤立している。中国やロシアは、国軍との関係を継続してきた。
習氏は9日、モスクワでベネズエラのマドゥロ大統領や、セルビアのブチッチ大統領ら各国首脳と相次いで会談した。