59年ぶりノンキャリ刑事部長誕生 「そこまでやるか、くらいやる」
小野大輔
兵庫県警の新しい刑事部長に就いた矢野浩司(こうじ)・警視長(59)が29日、記者会見し、「そこまでやるか、というくらい捜査を尽くす」などと抱負を述べた。矢野氏は地元採用のいわゆる「ノンキャリア」で、兵庫の刑事部門トップとしては59年ぶりとなる。
姫路市出身。姫路東高の時、県内で起きた身代金目的誘拐事件で警察官が児童を救出したのをニュースで知り、警察官にあこがれたという。卒業後の1981年に県警に採用され、捜査1課長や東灘署長、交通部長などの要職を歴任した。
同期の一人は「暴力団担当の時はパンチパーマにして毅然(きぜん)と向き合うなど、若い頃から仕事への情熱が人一倍すごく、すぐに頭角を現した」と一目を置く。
長く警察官僚のポストだった刑事部長への就任に「特別な思いはない」とする一方、「県警幹部は旧知の人ばかり」とも語り、ノンキャリならではの人脈の広さに自信をのぞかせた。
スローガンは「いざという時に頼りになる刑事部」。暴力団の弱体化や未解決事件の進展に意欲を見せる。「半グレの実態解明・取り締まりにも力を入れたい」と語った。
神戸市西区の自宅に家族と、加古川署長時代に保護した猫2匹を残し、県警本部の徒歩圏内で単身生活を始めた。自宅からでも車で30分ほどで通えるが、「事案発生にすぐ対応できるように」するためだという。
趣味は船釣り。だがさおはしばらくしまって、捜査指揮のかじを取る。